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弐拾漆話 ページ29

早過ぎて見えない銃弾を"昔から鍛えた"勘だけで避けながら敵に向かって走る。


彼等が怯んだ拍子に一人の腹に蹴りを入れた。


「ぐっ」


『今だ、国木田ァ!』


「あぁ」


向かってくる敵を倒していると、誰かに腕を掴まれる。


「失礼。貴方は"連れて帰れ"との命令でね」


『芥川君かっ…!』


少しだけ口角を上げて、彼の名前を呟いた。


「貴様!其の手を離さんか!」


国木田が彼の反対の手を掴み、背負い投げをする。


「やめろっ!」


敦が入って来ると同時に、男性が床に落とされた。


「おぉ、帰ったか」


俺は手首を擦りながら探偵社の中を見る。


宮沢は山積みになった男達の上で銃を物珍しそうに見ていた。


与謝野女医と江戸川さんは呑気に話している。


「勝手に居なくなる奴があるか。見ての通りの散らかりようだ。片付け手伝え」


国木田は男性の手を方向へ曲げた。


「ぎゃぁぁ!」


『うわぁ…』


「国木田さーん。こいつ等どうします?」


「窓から棄てとけ」


「はーい」


「此れだから襲撃は嫌なのだ。備品の始末に再購入。どうせ階下から苦情も来る。業務予定がまた狂う。しかしまぁ、此の程度いつもの事だがな」


溜息をつきながら手帳を見る国木田。


俺は宮沢が男達を窓から棄てる様子を見ていた。


『……片付けるか』


溜息をはいて、銃弾を拾っていく。


「国木田くーん。僕そろそろ"名探偵"の仕事に行かないと」


ハンチング帽を被り直した江戸川さんは、にこにこと笑っていた。


「名探偵?あぁ、例の殺人事件の応援ですか?」


「そう。警察がね、世界最高の能力を持つ此の名探偵。乱歩さんの助言が欲しいって、泣きついて来てさ」


軽々と机の上に乗り、くるりと回る彼。


「こいつ等に手伝わせます。取り敢えず、降りてください」


『なぁ、国木田。"こいつ等"って俺と敦の事か?』


国木田は俺の話を無視して、敦の肩を叩いた。


「おい、呆てないで準備しろ。仕事は山積みだ。太宰も探して連れて行け。どうせ其の辺の川を流れてる」


「は…………はは」


突然笑い出す敦を見やると、涙を流す。


「あ?なんだ貴様、泣いてるのか」


「泣いてません」


「泣いてないのか」


「泣いてません」


「泣いてるのか」


「泣いてます!」


『ぶはっ』


2人のやり取りに笑い出すと、敦に肩を掴まれた。


「A、怪我は!?」


『無傷だよ』


「善かったぁぁ…」


ぎゅうっ、と抱き着いて来た彼の頭を撫でといた。

弐拾捌話 Murder on D Story→←弐拾陸話



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匿名part2 - 浅間ってなんかハーフみたいで変 (2018年2月28日 21時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
赤影真未(プロフ) - 面白かったです!すぐに続編読みますね! (2017年10月19日 2時) (レス) id: 7f3c790d7e (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - 匿名さん» 申し訳ありません。まだその様なシーンを出していない為、忘れておりました。速攻で出しますのでご了承ください (2017年5月21日 19時) (レス) id: 5f9b98437e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - これは同性愛ですよね?BLフラグを立てて下さい。違反の対象となります。 (2017年5月21日 19時) (レス) id: 8d53b1880e (このIDを非表示/違反報告)
マロンクリーム - 面白いです!楽しみに待ってます(`・ω・´)頑張ってください! (2017年5月20日 5時) (レス) id: 9f03df5593 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2017年1月9日 23時

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