#1 急すぎる ページ1
いつものようにお皿を洗い、
掃除をし、
洗濯をしていた休日だった。
『ふぅ……疲れたぁ。お兄ちゃん!ご飯できたよー!』
「うぃー」
私には5つ離れた兄がいる。
そんな兄はゲーム実況者と言う特殊な仕事をしていて、色々と忙しい(らしい)ので
私が家事全般を担当している。
両親は仕事が忙しくなかなか家に帰ってこないためだ。
「あ、そう言えば三重から居候しに来る人が居るらしいね」
『ふーん……。え?今なんて言った?』
兄が放った言葉はそうなんだぁー!と直ぐに納得できるようなことではなかった。
「居候がうちに来るって」
『えぇえ!?なんで!?』
「あれ?お母さんからメール来てないの?」
いやいや、飲みこみ早すぎでしょ!
『嘘でしょ?それに来るって言ったっていつ来るかとか、どのくらいの期間とか……』
1人でブツブツ言っていると、インターホンがなった
恐る恐るインターホンに近づくと、見知らぬ同い年くらいの男性が困った顔で立っていた
『は、はい?』
「居候することになった北川大雅です……」
「あ!来た!ほら、あがってあがって!」
私はわけもわからず玄関に立ちつくしたままだった。
どういうことだ……??この兄はなんでこんなにも疑問を持たないの?
「よろしくね、A。」
うわ、なんか兄に色々教えこまれてもう呼び捨てだこの人。
『詳しく説明してもらわないと……そんな軽くよろしくは出来ないですよ?』
そう言うとハッとした顔をし、長々と説明を始めた。天然なの?
どうやら私達の母親同士が仲が良かったらしく、彼の両親が忙しくなってしまったため
私の家に居候されることになった。
ということを親達が私たちに相談もせず決まっていたらしい。
『……わかった。でも急に住むとか言われてもこっちにも準備とかはあるから、しばらくは兄の部屋で生活してもらうけどそれでもいい?』
「うん!……ていうか初対面じゃないよ?僕達」
『え……?流石にもう信じないよ?』
というか信じたくないし、信じられない
「小学一年生くらいまで一緒に遊んでたじゃん?」
「A、2年生の時に大怪我して記憶が途切れ途切れだから、覚えてないんじゃない?」
と兄が言った。
『そ、そっか……ごめん覚えてなくて』
「大丈夫!じゃ、よろしくね」
『よ、よろしく……』
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:とっぽ | 作成日時:2018年9月18日 22時