いとをかし ページ7
それからの競技はずっと生徒の誘導をしてる丸山先生を見るために
日傘とサングラスと日焼け止めを使って
境界のロープギリギリで見ていた
｢あっつ…｣
｢丸山先生のために頑張って｣
もちろん友達も巻き添え
それから体育祭はなんの問題もなく閉会式まで進んだ
｢すばるくん｣
｢ん？｣
｢先生にとって生徒って恋愛対象にはならんかなぁ｣
｢あー、無理やろな。年の差的に｣
｢そっか｣
体育祭の帰り
すばるくんが運転するバイクの後ろで
ヘルメット越しに聴こえてくるすばるくんの歌声に
少しだけ、イラッとした
｢ねぇ、失恋の歌歌わないで｣
｢なんで？俺これ好きやねん｣
ほんと、デリカシーないよね
｢よっ…家の鍵持ってるやろ？先戻ってろ｣
｢うん、ありがと｣
もう子供じゃないのに
毎回すばるくんは私を抱き上げてバイクから降ろす
過保護みたいだね
玄関を開けるとまだ誰も帰って来てなかった
ぱぱは仕事でしょ？
ままはお友達とお茶してるのかな？
荷物を自分の部屋に置いてお風呂に直行する
傷口を濯ぎながらゆっくりお風呂に入って
ずっと丸山先生のことを考えてた
｢先生と…キス、しちゃった…｣
濡れた指で唇をなぞると
丸山先生の唇の柔らかさを思い出して
一人で恥ずかしくなる
｢好き…丸山先生が、すき｣
白く濁った入浴剤入の浴槽にぶくぶくと泡を立てて潜った
お風呂から出ると ママ友とのお茶会から帰ってきたままが洗面所で手を洗っていた
｢体育祭、怪我したんやて？｣
｢うん…お風呂すごい染みた！｣
｢手当したるからソファおいで｣
体を拭いてパジャマを着る
半袖半パンで良かった 擦れる心配がないもん
ソファには救急セットを抱えて中身を漁るままと
真ん中を開けて反対側に座るすばるくん
｢どこに座ればいいの？｣
｢ここ座ればええやん｣
すばるくんは自分とままの間をバンバン叩く
そっとそこに腰を下ろすと
ぐっとすばるくんが近づいてきて
シャンプーの匂いを嗅ぐと満足そうにキッチンに向かった
｢結構傷多いなぁ｣
｢なんかね色々あって 気を失っちゃった｣
｢軽い脳震盪でも起こしたんかな｣
｢わかんないけど もし明日体調悪かったら病院行ってくる｣
｢そん時は車出したるよ｣
｢ありがとう まま！｣
普段はがさつだけど私を手当する手つきは優しくて
気がついたら私はソファの上で寝ていた
すばるくんの大きめのパーカーを着せられていたから
思いっきり嗅いどいた
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おくら(プロフ) - きゅうりの１本漬けさん» すみません！ご指摘ありがとうございます！ (2018年4月14日 12時) (
レス) id: 90c9252683 (このIDを非表示/違反報告)
きゅうりの１本漬け(プロフ) - 一つだけ訂正発見しました！横山が名字なのに9ページのLINEで、すばるくんの苗字がしぶたにになってます！作品は凄く面白いです！これからも他の作品頑張って下さい！ (2018年4月13日 15時) (レス) id: 3803ce921b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おくら | 作成日時：2017年6月22日 22時
