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「ぅお!?」
そんな声をあげて私を咄嗟に支えてくれたのは、たまたま横にいた五条くんだった。
私は未だにぐらぐらする視界の中で白い頭を見つめる。お礼を言いながらも頭の中を占めるのは、ただでさえ雑魚認定受けてるのに迷惑をかけてしまった事。彼を好きとかそういう話では無いけど、早くさしす組と仲良くなりたい私にとってはピンチである。
「A、やはり今日は先に休んでいなさい」
提案ではなく命令形で言ってくる傑くんの顔には、わかりやすい程に心配の色が浮かんでいた。その横では硝子ちゃんが「へー、あんたもそういう顔出来るわけ」と呟いていて、早々にクズ認定をしていたのだと伺える。
「そうだね、そうするよ」
「私が連れて行くから」
肯定の言葉を口にすると、そう食い気味言いながら傑くんが私を五条くんから奪い取った。傑くんの過保護具合は相変わらずだけど、そんな彼に満更でもない私も相変わらずだ。
私たちの心情を知ってから知らずか、硝子ちゃんは私の分のお皿を片付けに行ってくれた。ちなみに、五条くんと傑くんのお皿はとっくに各自が片付けてある。
「ありがと、傑くん」
へら〜っと笑いながらお礼を言う私を支えながら、器用に頭を撫でてくれる彼。ため息をつきそうな顔をしているのは気のせいだろうか。今世は身体が弱いせいで全ての人を救済出来るかはわからないけれど、最低限目の前の彼だけでも救いたい。
部屋について私を布団に寝かせると、空調管理を完璧にしてから手を握って落ち着かせてくれる。
「ふふ、至れり尽くせりだ」
「Aだからね」
お茶目に思わせぶりなウィンクをして見せた傑くん。その心が家族愛だけではない事には私は気づいている。だからこそ私は彼に甘える。答えもしないのに残酷だって思うかもしれないけれど、私は所詮クズだから。愛してくれるなら愛されたい。宿儺様ともそうだった。
そして私は、呪いの王となった彼と会える未来を願って瞼を閉じた。
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( 全く…いつまでも敵わないよ。)
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ましゅ(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです!!どうかなもさんのペースで更新していってくださると嬉しいです!応援してます! (2023年3月23日 20時) (レス) @page16 id: a3623c9dc1 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀 - なもさん初めまして、この小説は五条悟オチでお願いいたします。続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年1月16日 22時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なも | 作成日時:2020年12月31日 14時