1 prologue ページ2
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高校3年の夏、なんて。とっても大事な時期なのはわかってる。それでも、手が進まなくて。気づけばONE PIECEのアニメを見直して。
「あ〜、メリー号...」
麦わらの一味がメリー号に別れを告げるシーン。そんなこともあったなぁ、なんて思いながらクラバウターマンが宿っていたゴーイング・メリー号が炎に包まれるシーンを見届ける。
こんなに想われていた船を見て、私もトリップして せめて大事にされる船になれたらなぁ と一人考えた。
トリップなんて現実逃避で、夢物語で。そんなことは知っているけれどやっぱりどこか期待する。
「あわよくば、白ひげ海賊団に......」
船になったら白ひげ海賊団を救うことすら出来ないかもしれないけれど。私はそれでも側に行きたかった。側で生きたかった。
私の、小さな、願い。
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「メリ〜〜〜!!!!」
そう叫ぶルフィを見ていると涙腺が緩む。元々感情的になると涙が出やすい体質で、泣きたくなくても泣いてしまうことが多々ある私。
友達や母親以外の前では基本真顔で生活してるからか。その代わりと言うように こういうときの自分は一度感情を出すと止められない。
「あ"〜、鼻水出てきた...」
木の床の上に座ってずびっと鼻をかむと、何処からか潮の匂いが鼻をかすめた。手に持つティッシュは涙で濡れてかなり悲惨になっているだろう。
新しいティッシュを手に取ろうと、右手を膝の上のティッシュ箱に伸ばす。
____コロッ
開いた手はティッシュを掴まず、硬い何かに当たってそれが膝から床に落ちた。
物の整理ができないせいで物が近くにあったんだろう。と勝手に解釈して今度は潤む視界の中で白いものを探すけれど。見えてきたのは肌色の肌と茶色い床。それと、少し薄い茶色の...
「...ハンマー?」
状況が掴めなくてとりあえず手で涙を拭く。手の甲で優しく2、3回、涙を拭うと開ける視界。
そこには、床に落ちた木槌と涙でべちょべちょになったティッシュが落ちていた。
それを見て もしやと思い自分の姿を見ると着ていたのは案の定船乗りのレインコート。
全てを察知した頭でも、せめて知ってる海賊船のクラバウターマンであることを願うことしかできない。
これが有名な豪華客船とかだったら一生グランドラインで旅なんてないだろうし。まして原作の人達に会える確率は無いに等しい。
「詰んだ〜〜〜」
こんな間抜けない声を出すクラバウターマンは私ぐらいだと思う。
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麗葉 - 皆可愛い(●´ϖ`●)そんでもってイゾウさん、、ほんとその色気の暴力やめて下さい!好きすぎます!! (5月24日 22時) (レス) @page23 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
じょったん - めちゃくちゃ好きですぅぅぅぅぅぅヽ(;▽;)ノ もうマジでバカ可愛いやん何!?!?って感じです…これからも応援させていただきます!!!!!! (2022年4月6日 13時) (レス) @page23 id: f889728e73 (このIDを非表示/違反報告)
柃。(プロフ) - いいですね!!とても!!夢主ちゃんと白ひげのみんなのやりとりがもう尊い…続き楽しみにしてます! (2022年3月13日 10時) (レス) id: 70c717cb52 (このIDを非表示/違反報告)
一輝 - 更新早くして下さると嬉しいです楽しみに待っています (2021年1月2日 17時) (レス) id: 61bf71a8cd (このIDを非表示/違反報告)
雪菜 - 続きを楽しみにしています更新頑張ってください (2020年10月23日 22時) (レス) id: 61bf71a8cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なも | 作成日時:2020年8月29日 19時