鳳凰中学、探偵部 (ページ28)

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二十三謎目ページ28

～誠兎side～
あのあと、Aは泣き疲れたのか寝てしまった。
…あー…俺かなりアイツのことで頭いっぱいなんだなぁ…
…なぁ、A
俺はお前とずっと居たのに、お前はどうして弱音を吐いてくれなくなったんだよ？
あの…涙の意味はなんなんだよ…？

誠兎「クッソ…！！！」
流坐伊「…誠兎」
誠兎「！？る、流坐伊さん…。」
流坐伊「Aのことか？」
あぁ、この人には何を言っても適わないのだろう。見透かされてしまうのだ
誠兎「俺って…そんなに頼りないんですかね…？」
流坐伊「それは違うんじゃないか？
大切で、大切で、近すぎて、心配させたくないって思ったことないか？お前は」
誠兎「…っ」
流坐伊「よーく考えてみろよ、じゃあな」

…カッコイイよなぁ。
普段は、周りを明るくさせて。
俺の相談にもいつも乗ってくれて…
あの人は俺の憧れだろう…多分
にしても…

誠兎「心配させたく、ない…かぁ」

確かに…あったかも…。
…Aと俺の距離は近すぎるのだろうか？
そのせいで、心だけ遠くなっているんじゃないのか？
いや…俺は知らず知らず、他の人との壁はいつの間にか作っていた。
だったら…Aにも同じように、壁を作ってしまっていたのか…？

誠兎「もう…わかんねぇよ…ッ」

…なぁ…Aーー…
～流坐伊side～
あーあー、もう、もっといいアドバイスできただろ！？
オレはバカかッ！！

流坐伊「クソッ…！！オレが、あいつらに出来ることは他に…ないのか…！！！」

オレは、なんて無力なんだろう…？
妹…Aは今まで沢山のことを溜め込んできたけど、誰にも弱音を吐かず
前向きだった。
そんなAがオレに弱音を言ってくれたときは嬉しかった。
兄として、頼ってくれたことが…
けど…！オレはあいつに、一つでもしっかり対応できてたのか？
根拠の無いことを言って、あいつを、Aを不安にさせてしまってたんじゃないのか…？

流坐伊「A…」

それに、誠兎だって。
昔から、Aのことをいつだって思いやって、傍にいてやってくれて。
本物の弟みたいな存在になっていた
けど、あいつからは、誠兎には壁を作られていたような気がする。
でも、あいつは、Aだけにはいつものように、壁なんて無しに話せていたと思う
オレは…一つでも、あいつらに、誠兎に、Aに…兄として、家族としてーーー…
何かしてやれていたのだろうか？