File181 ページ14
.
SCP"先のない扉"。
アメリカのとある場所で異常発生。
一般市民の不可解な死の後に発見されたのは、何の変哲もない平屋の農家。
しかしその廃屋こそが異常存在の正体だった。
そこに踏み入れた者に待っているのは、徘徊している怪物に襲われるか、異空間に取り込まれるかのどちらかの結末。
1度入ってしまえば、2度と生きて外の世界に戻ることはできない。
その異常を抹消する方法はただひとつ。
"祈りを込めた銀の弾丸"を怪物に撃ち込むこと。
先遣調査として突入し、この真実に辿り着いた"エージェント バークレー"は、死の間際にメモを書き残した。
[幸運を、死にゆく者より敬礼を]
異常存在の特性、打開策と共に書き殴られていたのは、自分に代わって誰かが成し遂げてくれることを信じた、エージェントの最後の言葉だった。
その後、偶然メモを見つけたある男は、それに従い行動し、死を覚悟して銀の弾丸を怪物に撃ち込んだ。
それにより怪物は消滅、廃屋の異常存在は無力化された。
命をかけて脅威に立ち向かった2人の英雄を、人々は讃えた。
*
「……そういうことかよ…っ」
暗号文の最後に記されたものを目にして、松田はメモ用紙を握り潰した。
氷室雄人が好むSCPに準えた言葉が、どんな意味を持つのかまでは明確に導き出せないが、納得がいく解釈をするならばこうだろうと降谷は続ける。
「[死にゆく者より]…それはつまり、Aは死を覚悟してこれを送ったということだ」
ここで自分が朽ち果てようと、いつか誰かが氷室雄人を裁いてくれる。
そんな期待が込められたものであるとも捉えられた。
「今までの僕の推測が正しければ…
11月7日、そこで全ての決着がつく」
命をかけた大勝負。
どんな結果であれ、因縁という名の糸は必ず切れるはずだ。
「公安として優先すべきは、氷室雄人の身柄確保だが…」
「わかってるぜ…零」
「だから…この5人ってわけね。さっすが降谷ちゃん」
建前を述べつつも、本音は既に彼らに伝わっており、降谷は頷きながら笑った。
今日ここに伊達班を集わせた本当の理由。
爆弾を止めること、犯人を確保すること、そしてAを救うことができる人間がいるとしたら、それは彼ら以外にいない。
様々な危機を乗り越えてきた彼らなら、運命の日に起こる脅威に十分立ち向かえるはずだ。
「頼むぞ、みんな」
降谷の言葉に、4人は強く頷いた。
.
492人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
七草(プロフ) - ふゆりぬさん» ふゆりぬ様はじめまして〜!当作品をご覧いただきありがとうございました…!楽しんでいただけましたら嬉しいです!お言葉に甘えて来年もやらかさせて(?)いただきます…! (2022年12月27日 20時) (レス) id: d39847a71a (このIDを非表示/違反報告)
七草(プロフ) - 早桃さん» 早桃様!この度をお付き合いくださり、また数々のコメント本当に嬉しかったです!ありがとうございました! (2022年12月27日 20時) (レス) id: d39847a71a (このIDを非表示/違反報告)
ふゆりぬ - 鈍色編完結おめでとうございます!!松田くん推しなのでほんとにキュンキュンしながらとっても幸せな時間を過ごさせてもらいました。これで終わらなくてよかった、、じゃんじゃんやらかして下さい!笑これからも応援しています✨ (2022年12月26日 21時) (レス) @page50 id: b50b7f8ace (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - 鈍色編完結おめでとうございます!!思いを伝えられてよかった…😭何回もごめんなさい! (2022年12月26日 12時) (レス) @page49 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)
七草(プロフ) - マシュマロ。さん» コメントありがとうございます!色々回収しました!(語彙力皆無) (2022年12月22日 22時) (レス) id: d39847a71a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:七草 | 作成日時:2022年12月4日 0時