File180 ページ13
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写るのは、焼け焦げた腕輪のような機器。
それを見た松田は眉間の皺を深くする。
「君ならわかるだろ?」
「こいつはァ…」
「それが今、Aの手首に取り付けられている」
「っなんだと!?」
これがどんなものであるのか、降谷へ教えたのは自分であり、知っているかなど愚問の類だ。
最近になって現れた新型の爆弾。
まだその特性すら全て把握できておらず、分解による解体方法は確立できていない。
最大の厄介な点は、この腕輪の形。
鍵を無くした手錠のように、一度人の身に取り付けられてしまえば簡単には外れない。
大体の爆弾は液体窒素で凍らせて輸送するパターンが多いが、人から取り外さねばこの手も使えない。
「そんな爆弾が…Aちゃんに…?」
「その状態で刑事部へ暗号文を送ったのか…!?」
「班長、そこなんだ」
この暗号文を解読した時、降谷の中に残った謎。
それはAは何故こんなにも計画を把握できているのか、ということだった。
「これは僕の憶測だが…
Aが何故ここまで情報を持っているのか…それは実行犯から直接聞かされたからだ」
盗んだにしては細かすぎる情報量。
実行犯も2人と明確に記載されている。
そしてこんなに犯行計画が明らかになっているのにも関わらず、自身の手首爆弾については何も書かれていない。
それらのピースを組み合わせれば、大体の予想はつく。
「
ということは"何かを条件に知らされた"、と考えるべきだろう」
「おい…っまさか…!」
降谷と同じの予想に辿り着いた4人の表情に焦りの色が沸々と湧く。
相手は警察への復讐を狙う爆破犯と、人の恐怖心を弄ぶ快楽主義者。
おそらく彼女は、最悪の選択を迫られたのだ。
「例えば…この計画によってAに取り付けられた爆弾に何かが起こる、とかな」
「っくそ…!」
苦々しく放つ降谷の言葉に、松田は奥歯を噛み締め、強く拳を握った。
あくまで予想に過ぎないが、ほぼ間違いないと言ってもいいだろう。
それを裏付ける証拠を降谷は取り出す。
「これが暗号文にあった…最後の一文だ」
差し出されたメモ用紙に書かれているのは、Aから送られた最後の言葉。
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七草(プロフ) - ふゆりぬさん» ふゆりぬ様はじめまして〜!当作品をご覧いただきありがとうございました…!楽しんでいただけましたら嬉しいです!お言葉に甘えて来年もやらかさせて(?)いただきます…! (2022年12月27日 20時) (レス) id: d39847a71a (このIDを非表示/違反報告)
七草(プロフ) - 早桃さん» 早桃様!この度をお付き合いくださり、また数々のコメント本当に嬉しかったです!ありがとうございました! (2022年12月27日 20時) (レス) id: d39847a71a (このIDを非表示/違反報告)
ふゆりぬ - 鈍色編完結おめでとうございます!!松田くん推しなのでほんとにキュンキュンしながらとっても幸せな時間を過ごさせてもらいました。これで終わらなくてよかった、、じゃんじゃんやらかして下さい!笑これからも応援しています✨ (2022年12月26日 21時) (レス) @page50 id: b50b7f8ace (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - 鈍色編完結おめでとうございます!!思いを伝えられてよかった…😭何回もごめんなさい! (2022年12月26日 12時) (レス) @page49 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)
七草(プロフ) - マシュマロ。さん» コメントありがとうございます!色々回収しました!(語彙力皆無) (2022年12月22日 22時) (レス) id: d39847a71a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:七草 | 作成日時:2022年12月4日 0時