始まりの朝 ページ10
「んぅ……。」
眼が覚める。
何時もの朝が戻ってきた。
違う所を挙げるとしたら
私の心にあった思いは伝わって、彼の中にあった思いも私に伝わったという事だろう。
私が少し顔を上げたところに愛しい彼は居る。
穏やかに眠って居る顔を見ると、帰ってきたんだな。ともう一度安心する。
こんなに穏やかな時間なら、ずっと続けば良いと願ってみたくもなる。
でもそろそろ探偵社に出勤する時間だ。
抱きしめられて起き上がれない私は、
気持ちよさそうに寝て居る太宰さんを起こさなければならない。
「太宰さん、起きましょうよ?
みんなを心配させているんですから?
それにどうせ狸寝入りなんですよね?」
太宰「ふふ、気づいていたの?」
「気づきますよ。寝てる時と起きてる時の抱きしめ方が違いますから。」
太宰「そうかい?」
起きていた方が抱きしめ方がより強いのだ。
でも、そんな事恥ずかしくて言えないから話をそらす。
「ほら、もう用意し始めないと間に合いませんよ?
私は国木田さんにおこられたくありません。」
言ってもあまり効果がないとは知っているが、
布団の中で私を離さずに駄々をこねて居るのを見ると言いたくもなってしまう。
太宰「じゃあさ、君がキスしてくれたら起きるよ、すぐにでもね。」
そう言って笑う太宰さんに、私の顔は赤くなるばかりだ。
太宰「どうしたの?
私を起こすんだろう?」
い、意地悪だ……!!
この状態になった太宰さんはきっとてこでも、
どんな原理を使ったとしても、キスをしない限り動かないだろう。
どうしよう……。
そうだ!
別に太宰さんはどこにしてって言ってないんだから
一番恥ずかしくないところにすれば良いんだ!
そうしよう!
チュッ
太宰「…してやられたよ、ほっぺにされるとは。
どうせなら恥ずかしがりながらでも良いから、
口にして欲しかったよ。」
「ぜ、贅沢言わないでください!
ほっぺでも十分恥ずかしいんですから!
ほら、キスしたんですからちゃんと起きて支度してください。」
太宰「はーい。」
良かった、聞いてくれた。
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そして私たちはこの世界に来て初めて明けたあの朝のようにまたあの扉の前に立つ。
太宰「おはようございます。」
「おはようございます!」
ああ、また朝は始まるのだ、今日の良き日も。
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夜も深々と遅くなり申し訳ございません。
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yamamia38(プロフ) - 大丈夫だよ!読める!私も新しいの描きたくて骸砦書き始めたw (2018年11月26日 2時) (レス) id: 6702f70f35 (このIDを非表示/違反報告)
海原琴子(プロフ) - yamamia38さん» 夢だけど読めた?読んでくれてありがとう!私も中学の頃のネタ引っ張り出してきてなんか新しいの書きたくなってるww (2018年11月26日 2時) (レス) id: 3c7f39bcf1 (このIDを非表示/違反報告)
yamamia38(プロフ) - 流石琴さん、面白いね!お気に入り追加させていただきました!ほんと、テスト期間中なのに現実逃避してますww (2018年11月26日 2時) (レス) id: 6702f70f35 (このIDを非表示/違反報告)
海原琴子 - キャラメルさん» コメント有難うございます!全くもってその通りです。それについては何かしら描きたいと思うので今後ともよろしくお願いします! (2018年3月15日 16時) (レス) id: 8878c0f103 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメル(プロフ) - …今思うと中学生と成人男性… (2018年3月12日 6時) (レス) id: 6111dcab81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うたうたう | 作成日時:2018年1月9日 14時