[悪女主]奪われた日々[実況者][完結]

41- ソノ言葉 ページ43

キヨ目線






俺らからしたら、Aの言っていることの






真意がわからなかった。









だって、
自分を貶(ｵﾄｼ)めようとした相手を庇うかのように言っているのだ。









前から人間が出来ているやつだとは思っていたが
ここまで来ると









・









・









・









・









・








逆に怖い。








しかも、Aは心を見せないから。



昔と違って。









「皆は、私を信じず彼女を信じた。









なら、









最後まで信じてあげなよ」









キ「っ！」









さっきと大差ない雰囲気なのに、声の質が低くなって





より一層彼女を怖く感じさせる。









ヒ「それは......」







　「今更言い訳するの？」









ヒラが返そうとするとAは言葉を被せてきた。

分かってる、Aの言い方は自然だ。









俺達はそう言われるほどのことをした。









だから、









だから、なんなんだろう。






俺達はずっとAに




恨みと、申し訳ないという矛盾を抱えて過ごしてきた。









でも今は違う。









今は、もう一度一緒に過ごしたいという気持ちしかない。









だったらそれを言葉にするしかないんじゃないか？









なあ、そうだろう？









A。









キ「俺は、綾じゃなく








お前と一緒にいたい。」









不意に出た言葉だった。









考えたらすっとそのまま出てきて、



こんなに素直な言葉は本当に久しぶりだ。









Aは1度、とても驚いたような表情になったけど









次の瞬間。









　「...ふふ」









ふっと笑みを零した。









こ「！？」




フ「A...？」









A以外、全員困惑した表情を浮かべる。









だって俺は何もおかしいことなど言ってないはずだ。









だから、笑うなんて...









　「いやー、ごめんごめん。









虫が良すぎて、笑っちゃった」









キ「！！」









暗く、濁った目。









Aのこんな表情も、瞳も、初めて見た。









見下すような、蔑むような。









その瞳に見つめられ動けないでいると





　「...じゃあね、もうそろそろ行くわ」






よろしく、と付け足しAはその場を離れた。





その時悟った。






俺達は、取り返しのつかないことを









してしまっていたのだと。

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