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__次の日。
カランッ
『店長〜…って、あれ?』
店内を見渡すと誰もいない
(…聞こえなかったかな?)
さっきよりも少し大きい声呼んでみる
『店長〜!珈琲〜!』
すると、カウンターから、ぬっと、赤い頭がでてきた
『うおぁっ!…いてて。』
ガタンッ、驚いた勢いで床にしりもちをついてしまった
お尻がジンジンする…
「あ、すいません。大丈夫ですか?」
『あー…、大丈夫です。』
ゆっくり顔をあげると、整った顔立ちの赤髪の男と目が合う
整った目鼻立ちに目を奪われ、暫くフリーズする俺に
「…あのー?…、手越さん?」
『あ、あぁ!すみません。』
(…ん、てか…あれ?)
『…俺の、名前…。』
「ふふ、店長が手越さんのことよく話してくれますから。
聞いていた通り、面白い人ですね。」
片えくぼが印象に残る、眩しいくらいの笑顔で笑いながら話している
『あはは…、そう、ですか、店長が…。
あのー…増田、さん?ですよね?』
「はい!ここでバイトしてます。増田貴久っていいます。」
『常連させてもらってます。手越祐也です。…えっとー…』
「どうしました?」
『…店長、は?』
「あぁ、店長なら妻と旅行にいくーっ、ってはしゃぎながら昨日海外へ行かれましたよ。」
『え?!海外ですか?、聞いてねぇよ…。』
「…店長に何かありました?」
『あー…、大したことじゃないから大丈夫です。』
(増田さんについて聞こうと思ってたんです、なんて言えねー…!)
「あ、店長の珈琲じゃなくてすいません。」
申し訳なさそうに笑いながら、珈琲をコトンと机に置いてくれた
『いえいえ!そんな!嬉しいです!』
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作者名:増田兎羽 | 作成日時:2018年11月24日 2時