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__増田さんは、また少し困ったように微笑み頭をわしゃと搔いた
俺はお酒の勢いという口実を使い、食い下がり頼む頼むとせがんだ
「…はぁ、分かりました。…何歌えば?」
やった!心の中で舞い上がった、
『んー、何でも!』
まじすか、そう呟いて、増田さんは少し考え込んだ
俺の様子を少し伺って、また、何か悩み、意を決した様に小さく深呼吸をした
そして、増田さんが目を閉じて、歌い始めた時
俺は唖然とした
開いた口が塞がらない、まさにこのことわざ通り
それと共に目頭が少し熱くなった
歌いながら増田さんは、金魚のように口をパクパクさせてる俺を見ると、目を細めた
__Forever Mine…
歌いきると増田さんは、すぐにグラスを持ち、ビールを流し込むように飲み切った
俺は、そんな増田さんに詰め寄り、両手をとって至近距離で見詰めた
『…あ…の声は、増田さんだったんだ!』
握った手をブンブンと振り、満面の笑みを浮かべる
『お、俺!増田さんのこともっと知りたいっ!』
そんなことを一生懸命言う俺がおかしかったのか増田さんは吹き出して笑った
「じゃあ、ここ、出ましょうか。ゆっくりと静かなとこで話しましょ。」
『はいっ!』
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作者名:増田兎羽 | 作成日時:2018年11月24日 2時