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二人の友達 ページ10

『ハァ、ハァ…いた!』

走ってきたせいで息切れが激しい。
ふと上を見上げたとき、既に鉄骨が落ちてきている最中だった。

…僕はその子を守るように覆い被さった。
自分でも何をやっているのかわからなかった。ただ、死なせたくないと言う感覚だけが僕を動かした。

お願い、せめてこの子だけは…!

「…ハイエロファント。」

『!?』

緑の人の様なものの手元から液体が出て来て、宝石のような何かが鉄骨を破壊した。
そのお陰で間一髪の所で助かった、のだが…。

『は、離しては貰えない…かな。』

助けてくれた緑の触手が僕に絡み付き、どうにも動けない状況に陥ってしまった。
もうこっちは諦めるか。

『大丈夫だった?って、僕が聞くことでもないかな。』

助けたのは緑の子な訳だし…。
僕が声をかけると、その子は何か珍しいものでも見るようにカッと目を見開いていた。

…やっぱり。緑の子も、この子も見たことがあるような。う〜ん、どこだったんだろう。

「ね、ねぇ!」

その子は不意に僕の事を呼んだ。

「ソイツが見えるの?」

そいつ…とは僕に絡みついてくる触手の事だろうか。待てよ?そんな事を聞くと言う事は…?

『え、君も見えてるの?』

その子は大きく頷き、目を輝かせた。

「僕は花京院典明!」

その名前を聞いたとき、確信した。

僕は絶対にこの子、花京院に会った事がある。
いつだったかはわからない。でも絶対に会ってる。

そして次の瞬間には既に

『友達になって!』

そう叫んでいた。

…何言ってんだ僕。いきなり友達になってはちょっと不味くないか?
そうして考えていると、段々顔に熱が集まっていくのがわかった。

『あ、いや。なんでもな(((「もちろん!」

「これからよろしく!」

★☆★☆★

そのままの勢いで公園に行って話をした。

『ハイエロファントグリーン…?』

「うん、ずっと友達なんだ。」

ハイエロファントの方を見ると小さく手を振り返してくれた。うん、かわいい。

それに比べて家のアンと来たら…。

「Aのはどういうヤツなの?」

『意地の悪いヤツだよ。』

あ、違うのは性格だけじゃあ無いか。
アンはほとんど人のような姿をしているが、ハイエロファントは僕が見てきた異形に近い感じだ。

ふと時計に目をやった。…あ。

『時間結構経ってたね…。』

いい子は帰る時間と言う訳で、僕と花京院は別れた。

_帰ってから承太郎に何してたとしつこく聞かれたのは言うまでも無い。

もう嫌なんだ→←先見の明



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瑠花 - こんばんは、初コメ失礼します!すごく面白くて一気に引き込まれてしまいました…!!表現力が羨ましいです!!あとこんなことでなんですが私も貴利矢さん大好きですw忙殺されて身体が橘さんにならないよう、体調にお気をつけてください〜〜!!応援してます!! (2020年12月30日 23時) (レス) id: c4c21690fd (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 面白いです!更新頑張って下さい、、! (2020年12月1日 8時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
とけいそう(プロフ) - 面白くて続きとっても気になります…!更新無理せず続けて欲しいです! (2020年11月30日 22時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:男主愛好家 x他1人 | 作成日時:2020年11月29日 2時

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