伝えるのが下手すぎる ページ48
「なあA。」
僕は読んでいた本から目を離し、典明の方に目を向ける。
『何？』
「多くの人はクリスマスはキリストの誕生日を祝う日と思っているが、本当はキリストが生まれるより前からクリスマスのようなイベントは行われていたんだよ。」
『へぇ…』
僕は適当に相槌を打った。
でも僕は今何故この話を典明がしたのかわかっているつもりだ。これは遠回しに"クリスマスの日は空いている？"と聞かれている。
『…特に用事は無いね。』
「！！何でわかったんだい？かなり遠回しな言い方だったと思うのに…」
『何年一緒にいたと思ってるの？それくらいはわかるよ。それに…』
僕も、クリスマスは一緒に過ごしたかったしね…
とは恥ずかしくて言えないので照れ隠しに本に目線を移した。
実は、僕もクリスマスに気づいてほしくて、クリスマス関連の本を読んでいた。…そのまま伝えるのが恥ずかし過ぎてこれしか無かった。
その本の中に、クリスマスパーティの準備をするシーンが書かれていた。今年は手作りとかしてみても良いかもしれないな…
その事を典明に提案すると、快く聞き入れてくれた。
明日スーパーに行ってみよう。
★☆★☆★
財布を持ってスーパーに出掛けようとしたら、"僕も行くよ"と典明も一緒に行ってくれる事になった。
…こんな事を考えているのは僕だけかもそれないけど、これって凄く夫婦してないか？
どうしよう、そう思うと頬が緩んできちゃうなぁ…幸せ過ぎるよ。僕死ぬの？
だが、意地でもそんな顔を見られまいと俯いて歩いた。
「ずっと下を向いているけど。気分でも悪いのかい？」
『いや、気にしないで。』
さっさと買い物済ませないと、僕の心臓が過激な労働で死んでしまう…！
僕は今まで一番の早足で買い物を済ませ、家に帰った。
★☆★☆★
家に戻り、僕は料理、典明は飾りを担当する事になった。
正直な所、部屋の片付けとかが出来ないだけなんだけど…いや、出来る人が出来ることをやれば良いんだよ。うん。
ケーキだけはアンに作り方を聞きながら準備を進めていった。
『…いたｯ、あ。』
指切っちゃった…舐めれば治るかな…？
「A、舐めたらダメだよ。」
後ろから典明の声が聞こえたと思うと、後ろから手が延びてきて、切ったところに絆創膏をはってくれた。
あれ、これってバックハグでは…
『あ、りがとう…』
留まる事を知らない鼓動に落ち着けと思いながら礼を言った。
ーーー
文字数的に続く筈。
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瑠花 - こんばんは、初コメ失礼します！すごく面白くて一気に引き込まれてしまいました…！！表現力が羨ましいです！！あとこんなことでなんですが私も貴利矢さん大好きですw忙殺されて身体が橘さんにならないよう、体調にお気をつけてください〜〜！！応援してます！！ (2020年12月30日 23時) (
レス) id: c4c21690fd (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 面白いです!更新頑張って下さい､､! (2020年12月1日 8時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
とけいそう(プロフ) - 面白くて続きとっても気になります…！更新無理せず続けて欲しいです！ (2020年11月30日 22時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：男主愛好家 x他1人 | 作成日時：2020年11月29日 2時
