意外な難点 ページ17
更に何年か経ち、僕は大学生。承太郎は高校生と言うところまで来た。
いつの間にか身長は越されていて、頭を撫でにくくなったのが今一番の難題かな。
今日は帰るのが若干遅くなった。
家の前についたときにはもう辺りが暗くなり始めている。寒いしさっさと家の中に入ろう。
戸を開ける。
すると、仁王立ちで弟が待っていた。
『ただいま。』
「ああ。」
手を洗って荷物を自室に置き、そのまま床に寝転がる。畳ってどうしてこんなに落ち着くんだろ、凄いな。日本人の遺伝子に組み込まれていたりでもするのだろうか。
『今日はなんだか疲れたな…あ。』
そうだ、まだ読み終わってない本があったじゃあないか。今読みきってしまおう。
疲れているのに本を読むのってどうなんだとは思うけど。
座椅子に座り、本を開いて十分程すると、後ろから襖の開く音がした。この足音は承太郎か。
『どうしたの?』
と、聞くが返事は返ってこない。ただ無言で甘えてくる。隣に座って僕の方を見てくるのだ。
『フフフ、ちょっと頭下げて?』
素直に応じてくれた。身長差の関係でこうしないと頭が撫でられなくなったが、全く問題は無い。昔と変わらず、目を細め気持ち良さそうにしている。
うん。やっぱり弟が可愛すぎる。
「兄さん。」
『なんだい?』
「無理はしてないか?」
またこれだ。
いつからかは覚えていない。それほど前からずっと聞いてくる。何度も言うが、僕は無理なんかしていない。現に今は幸せだし、これ以上何を望むって言うんだ。
だからいつも
『大丈夫だよ。』
と答える。
そしてそれを聞いた承太郎が少しムスッとして寄りかかってくる。
いつかどうにかならないものかとは思うけど、甘えけ来てくれているのではと考えると止めてとも言いたくない。
可愛すぎるのが辛いなんて聞いてないよ…!
「二人とも〜?ご飯出来たわよ!」
ホリィさんがご機嫌でそう言った。
今日のご飯はなんだろうと楽しみにしながら、食卓へ向かった。
ーーーーーー
解説班です。
承太郎の考えたAちゃんの喜ぶ事は"いつまでも仲良くする事"これに尽きるのです。
Aちゃんは自己犠牲主義です。それ故に、弟や家族に対する愛情は半端ではありません。
その為ホリィさんの喜ぶ姿や弟の微笑む姿が一番の癒しであり、祝福であり、幸福でありました。
それを感じ取っていた為、Aちゃんを大切にするという目的で甘えていました。
(本人の意向も入ってそうなのは置いといて)
以上ッ!
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瑠花 - こんばんは、初コメ失礼します!すごく面白くて一気に引き込まれてしまいました…!!表現力が羨ましいです!!あとこんなことでなんですが私も貴利矢さん大好きですw忙殺されて身体が橘さんにならないよう、体調にお気をつけてください〜〜!!応援してます!! (2020年12月30日 23時) (レス) id: c4c21690fd (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - 面白いです!更新頑張って下さい、、! (2020年12月1日 8時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
とけいそう(プロフ) - 面白くて続きとっても気になります…!更新無理せず続けて欲しいです! (2020年11月30日 22時) (レス) id: 0d837f5408 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:男主愛好家 x他1人 | 作成日時:2020年11月29日 2時