【ヴィランズ手下】深海の唄【エイトフット】

タコが6匹 ページ8

「ん〜…無いなぁ…」


着いてから既に1時間くらい探している


しかしいくら探しても見つかる気配がなかった


「どうしよう…」


頭の中で最悪のことが思い浮かぶ


「海の…中…」


そんなの見つかる訳が無い


途方に暮れた私は絶望と皮肉をたっぷり込めてとてつもなく雑に唄った


「うーみーはーひろいーなーおーきーなー!!!」


「うるせぇ」


どこからか声が聞こえた


「へっ…えっ…？」


周りを見ても岩と海しかない


「どこ…？」


「上だ、上」


「上？」


顔を上げると 声の主は少し大きな岩の上に座っていた


「あっ！貴方は！」


声の主は昨日助けてくれた彼だった


「なんだよ溺れ人間」


「おっ…!?」


どうやら少々口が悪いようだ


…じゃなくてお礼！


「あの！昨日は助けていただきありがとうございました!!」


「あ？昨日も言っただろこっちが困るだけだって あとその語っ苦しい言い方やめろ」


「あ、ごめん…」


何だこの人…


「そうだ ペンダント…」


また探さないと…


「おい人間 探してんのはこれか？」


そう言って彼が取り出したのは中心に青い宝石がついた十字架のペンダント


紛れもない私のものだ


「やっぱお前のか まあこんなの人間しか付けねぇか」


「…あのさ」


さっきから気になっていることがある


「なんだよ」


「さっきから私のこと人間って言ってるけど貴方だって人間でしょ」


そう言うと彼は「やべぇめんどくせぇことした」とでも言うような顔をした


そしてため息をついた



「…誰にも言わねぇか」


「えっ…」


「言わなかったらこれ、返してやる」


「い…言いません！」

タコが7匹→←タコが5匹

ラッキーマスターor手下

ホック

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す