【ヴィランズ手下】深海の唄【エイトフット】

タコが43匹 ページ45

夜


私はベッドにうつ伏せに寝転がりながら友達と連絡を取り合っていた


私のクラスに、今日見た女の子の特徴に合う子を聞いていたのだ


実は自分でも思い当たる子はいるのだが…少し不安だった


しかし、返ってきた答えは


「うーん…やっぱりかぁ…」


私が考えていた子と同じだった


”神崎 結奈”


かんざき ゆな


彼女はあまり目立たない大人しい子だ


そんな子が本当にやったのだろうか


仮にもしやったのなら何故？


彼女に何かした思い出はないのだが…


「彼女が犯人という証拠は無いしなー…」


「そーだなー決めつけんのはよくねーよなー」


………


「うわあああ!!びっくりした!!」


「うるっせぇ!!叫ぶな!!」


いや叫ぶよ！


…何があったかって？


いつの間にかジョーが同じ体制で横に寝転がっていたのだ


驚かない方がおかしい


そして近い


私の気持ちも知らないで…


「この鈍感タコめ…」


「あﾞあ゛？今何つった？」


「ひぇっ…何でもないです…」


まさかタコと言っただけでここまで反応するとは…


怖い…


「あー悪ぃ悪ぃ 怖かったよなー」


「…やっぱり子供扱いしてるでしょ」


「気のせい気のせい」


んなわけあるかい、と言いたくなったがやめておこう


「なぁ 仮にそいつが犯人だとしたらお前はどうするんだ？」


「えっ…どうするって…」


考えたこともなかった


その人を どうするかなんて


「まだ…分かんないかな」


「ん、そうか」


特に問い詰めることもなく彼はあっさりと引いた


ああ、やっぱり彼は


「ねぇ ジョー」


「あ？何？」


「…ありがとう」


笑顔で彼にそう言った


すると彼は目を見開いてフリーズしてしまった


「え…お前頭おかしくなったのか…？」


「なっ…酷!!もういい寝る!!」


結構勇気出して言ったのに…


でもその後に


「くそ…反則だろ…」


そう呟いていたことは私は知る由もなかった

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