【ヴィランズ手下】深海の唄【エイトフット】

タコが41匹 ページ43

そうだ…あのこと話さないと


「あのさ…」


「何？」


「さっき…出掛けたとき、人につけられたんだよね…」


少したどたどしく言う


「はぁ!?お前さっさと言えよ!!」


「す…すいません…」


やっぱり…


こうなると思ってたから少し言うのを戸惑っていた


「何もされてねぇか？」


「うん…大丈夫 追い払えたし」


「そうか…ならいいんだ」


彼はどうやら本気で私を心配してくれているらしい


なんか…嬉しい


「私をつけてた人…女の子だった あと髪型はポニーテールだったよ」


「へぇ…特徴も掴んだのか、やるな」


頭を撫でられるのは嬉しいんだけど


「なんか子供扱いだなぁ…」


聞こえないように呟く


「これで犯人の発見に1歩近づいたってわけだ」


「…うん」


そう言われた瞬間私の心に


”この事件が解決してしまえば、もうジョーとはいられなくなる”


という考えが出てしまった


…あぁ バカだな私


彼が私の事を思ってる訳ないのに


何期待してるんだ


「A？どうした？」


「…ううん、何でもないよ！」


そうだ


今、この時を楽しむんだ


彼といれる時間を大切にするんだ


きっと…


私の思いは届かないから

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