【ヴィランズ手下】深海の唄【エイトフット】

タコが25匹 ページ27

朝食も食べ終え、今は目を覚ますためコーヒーを入れている


…コーヒーといってもミルクを多めに入れないと飲めないんだけど


「ジョーもコーヒー飲む？」


「あぁ、頼む」


ジョーの分を作っているとふと思った


やっぱりブラック飲むのかな


意外とミルク入れたり？


とりあえずブラックのままで出してみた


「ありがとな」


彼は受け取って普通に飲んだ


…ブラック飲めるんだ


なんであんなに苦いものを…


「なに見てんださっきから」


「よく飲めるね…ブラック…」


「逆になんで飲めねぇ あ、子供だからか」


「……」


スルーだ 言い返すとまた子供と言われそうだ


「だって苦いじゃん…あの苦さは軽くトラウマ…」


「味覚も子供か」


「……」


だめだ 耐えられない


「も…もう16だし！結婚だってできるもん!!」


「お前相手いねぇんじゃなかったか？」


「……」


負けた 完全に負けた


大人には敵わない…


「んなあからさまに落ち込まなくてもいいだろ」


「いーもん子供だもーん…」


「ほんとにめんどくせぇなお前」


自分でも今の私は面倒だと思う


成長しなきゃな…


「はぁ…」


本当に小さくため息をついたのだがジョーには聞こえてしまっていたみたいだ


「まあ16ってのは難しいって聞くしな…」


「…そうだね」


「ところでお前、行かなくていいのか？」


「えっ」


時計を見ると既に友達が待っている時間だ


「ちょっと！言ってよ!!」


「え、悪ぃ そう言えば行きは1人じゃねぇのか？」


「うん、友達が待ってる」


「そうか なら大丈夫だな」


そう言う彼は少し笑顔に見えた


その表情にまた私の胸が反応した


「い…行ってきます！」


「おう 行ってこい」


誰かにそう返されることは、こんなに嬉しいことなんだ


私は自然と笑顔になっていた

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