[d!]お願いやから追いかけてくんな！[男主]

#32 ページ32

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『よーし、』


巡回用の中でも2番目くらいにオシャレだと思っているほぼ真っ黒コーデを身に付けた。

その名の通り、黒シャツに黒のスキニー、黒のベルト。それから上から白のカーデガンを羽織ることでほぼ真っ黒になる。


髪の毛をワックスで軽く跳ねさせたり、最近どっかで見た雑誌の表紙の人の髪型を真似た。


それから肩掛けカバンに入っている財布を開く。
よし、グルッペン御用達のアホみたいに高い服屋に行ける分は入ってる。



扉の付近にある鏡の前で1周してみたりして、完璧なのを確認する。

今日は新人と仲良くなる機会だからちゃんとしなくては！





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余裕めに玄関へ向かえば、既に人影があった。
後ろ姿からしてあれはどう見てもチーノくんで、まさか遅れてないよな？と時計を確認した。

まだ10分前であるという事を確認してその後ろ姿に声を掛ける。


『ごめん、待った？』

｢彼女みたいな喋り方すな｣


俺のボケに全力で突っ込んでくれたチーノくんは振り向いてから目を見開いた。


｢なんか、嫉妬するぐらいのイケメンっすね｣

『服装補正や服装補正。』

｢_城下町行く時にオシャレするなんて、Aさんも春来ないんですか？｣

『やかましいねん』


褒められたかと思えば貶され、それに突っ込めばケラケラと高い声で笑うために俺もつられてしまった。

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