札幌ドームで待っててよ

40：じゃないと僕が ページ40

#12 side








｢ お前、俺に何か隠してることあるやろ？｣






｢ 僕は諦めません。
今、自分の口から言えるのはこれくらいです。｣


｢ 俺の質問の回答になってないんやけど ｣


｢ なってますよ。
ただ、西川さんが気がついていないだけで。｣


｢ そういやAさんとええ感じなんやろ、お前。 ｣


｢ はい…？｣






なにそれ自分のことなのに初耳なんだけど。

何を根拠に言ってるんだろ、
寧ろ西川さんからAさんを奪うのに必死なのに。






｢ 乙華ちゃんが写真見せてくれて、
それ送ってもらったんやけど、これ ｣






この写真は…
前にAさんが貧血で、っていうか誰かに殴られて
駐車場倒れてるのをたまたま見つけて、
お姫様抱っこしたってやつか。






｢ Aさん倒れてたんですよ？
倒れてる人がいるのに見て見ぬふりする
訳ないじゃないですか。｣


｢ それにしては球場でもやけに距離感近いし、
てっきりもうデキとんかと思とったわ ｣





そう嫌味っぽく言う西川さんが
先輩とは言えすごく腹が立った。







｢ 女の人1人守れない西川さんには言われたくない。
そんなことなら僕、本気で奪いに行くんで。 ｣






それでもきっと貴方は、僕を選んではくれないだろう。

41：今日も→←39：隠しごと

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す