札幌ドームで待っててよ

34：悩める西川 ページ34

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#7 side



｢ 遥輝さっきからイライラしとるけど何かあった？｣
｢ なんもないっすよ、卓さん。｣



なんなん？あの女は勝手にキレて勝手に泣いて、
勝手に…、



｢ 卓さん、今から呑み行きましょ ｣
｢ 残念、今日はパスーっ ｣



なんやねん。タイミング悪っ。
大将は帰る言うてたし、剛も用事ある言うてたし…



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｢ 本当にいいんですか？わたしで ｣
｢ ええねん、呑めたらそれで ｣



誘ったのは乙華ちゃん。
週刊誌にはアヤナさんて書かれてたけど、
実際にはこの子やし、お詫びの意味も込めて。



｢ すまんな、その…、週刊誌のやつ… ｣
｢ い、いえ。こちらこそごめんなさい ｣



そんな2人を遮るように店員が、
お通し、ビール、サワーを持ってきた。



｢ Aさんとデートしたって本当ですか？｣
｢ おう。あれは交換条件みたいな感じやから ｣



思い出したくもない、あんな人。
なのに、なのに。どうにも離れてはくれない。



｢ あの人…やめた方がいいですよ、｣
｢ なんで？ ｣



球団職員の中で評判悪いんやろうか？
静かな人やしそんな事はないような気がするけど。




｢ 松本さんが、剛さんがいるから、｣
｢ 剛…？なんで剛が出てくるん ｣



そう言ってスマホで撮った写真を見せられた。
そこには、Aさんをお姫様抱っこしている剛の姿が。



｢ この間貧血でAさんが倒れたらしいんです
それを剛さんがお姫様抱っこして、そのまま… ｣

｢ ふーん… ｣




なんやねん、アイツ。
人に告白しておきながら、剛がおったんか。

俺がダメなら剛に行くんか。
静かそうに見えて男好きなんやな、見損なった。



｢ いいもん見せてもろたわ、ありがと ｣



でも、やっぱり少し心が痛む。

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