札幌ドームで待っててよ

20：間近で ページ20

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みんなが練習してる音、ボールの音、シャッター音。


それだけがドーム内に響いていた。


あと鋭い視線。





あんた自分の仕事しなさいよ中平め。






「 すみません、ありがとうございました。」




納得いく写真は数枚しかないけどあまりにも視線が痛いので退散することにした。







「 待って…！」




そう引き止めてくれたのは私の好きな彼ではなく、







「 なんでまたあんたなの。」




松本剛。




「 アヤ…Aさんと話したかったからです 」





「 あっれ〜Aさん。こんな所で何してるんですか？サボり？」


「 いや、ちが…」
「 早くデスクに戻ったらどうですか？」





中平乙華め。何なんだこいつ。





「 はい。分かりました。すみません。」





どっちが歳上なのかもわかんなくなってきたし。





「 悔しいんですか？なら貴方を産んだ親を憎んでくださいよ(笑) 」







そう誰もにも聞こえないくらいの小声でそう言われた。




私だってもっと可愛くなりたいんだよ。

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