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質 ページ8
あ(本丸の夜は静かだなぁ……)
空に浮かぶ朧月と、蛍の群れを眺める。
うん、いい景色だ。
?「……主……は…し……」
風に乗り声が聞こえてくる。
?「なぜ……いけないんだ……いや……」
聞きなれないようで、どこか知っている不思議な声。どこか、悲しげな。
ゆっくり腰を上げ、声をたぐる。
そして、呼ばれたことに気がついてしまった。
あ「開かずの間……ねぇ、誰かいるの?」
ガリッと爪で何かを掻く音がする。
水が滴る音。
?「誰 か 助け て
俺の 声を 存 在を お願い です
ま だ 朽 ちたく ないんだ だから」
一拍。
突然耳が裂けるような悲鳴が響く。
同情、悲しみ、怒り、苦しみ、憎しみ……
ぐちゃぐちゃに混ざりあったそれは
瞬く間に理性を崩壊させるには十分だった。
ふと視界の隅に赤い貝殻が落ちているのが見えた。
へし切「主!!ここにいらしたのですね!!
今の声は一体……!」
あ「この奥に、人がいるの!
ねえ長谷部。何か助ける方法はないか、一緒に考えてくれない?!」
へし切「……主命とあらば」
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