ねちっこいです ページ38
影山、珍しくトスが乱れる。
それを翔陽が空中でカバーした。
それが相手へのフェイントになり得点が入った。
烏野が第4セットを取った。
ああ!凄いよ!
翔陽が影山をカバーしたよ!
翔陽が影山の周りをウロチョロしてる。
褒めて欲しいのか、ドヤ顔したいのか?
影山はガッと翔陽の胸倉を掴んで・・・。
「・・・ナイスカバー」
いやナイスっぽい顔しろよ影山。
翔陽、凄いスタミナ。
しかも最終セットなのに緊張してない。
頼もしく感じる。
そしていよいよ第5セットが始まる。
影山は菅原先輩と交替した。
課題が出た。
5セット戦えるだけの体力。
「ん?」
清水先輩が菅原先輩と手を握り合っている。
「はぁあああ??」
何やってんのかな!?
「緊張をほぐそうとしたんだよね?」
「そうだよね!でも美男美女カップル最高だね!?」
第5セット開始。
最終セットは15点マッチで行われる。
菅原先輩は練習したスパイクやシンクロで得点を稼ぐけれど、なんと牛島先輩が驚異の6連続ポイント。
「あっ!!」
「蛍!?」
牛島先輩のスパイクでツッキーが指を怪我する。
手を抑えて動けないツッキー。
結構大怪我かも!?
試合は一時中断して、コーチ達は手の様子を見ている。
「んっ!?」
ツッキーが・・・私を見た。
呼ばれたっぽい。
「谷っちゃん、今・・・」
「うん!千景ちゃん行った方がいいよ」
「あ、一緒に行くよ!」
お兄さんと一緒に一階へ降りる。
いた!ツッキーだ。
凄く、悔しそうな顔してる。
せっかく調子良かったのに、そうだよね、悔しいよね。
「千景ちゃんどうして・・・」
呼ばれた気がして、と言おうとしたその時ツッキーが一歩前に出た。
「治療終わったらテーピングしてもらうから・・・」
「わ、分かった!任せて!」
勢いに押されて返事をする。
「じゃあ、さっさと医務室行ってこい!」
と、背中を思い切り叩く。
「痛った!!」
と言い、清水先輩と一緒に医務室へ入っていった。
結構血出てたよ!?
切れてたし。
骨は大丈夫かな。
グルグル考えていると、ポンっと肩を叩かれた。
「大丈夫だよ。うちの弟しつこいから」
「知ってます。ねちっこいです」
お兄さんのお陰で暗くなり過ぎずに済む。
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作者名:球技大会 | 作成日時:2020年2月5日 23時