雄英高校キラキラ光る (ページ28)

今日:2 hit、昨日:39 hit、合計:10,369 hit

真っ暗な海ページ28

オ「到着！」

砂浜に豪快に着地するので、ブワァッと砂が舞う。

「わああ！！」

そして結構な衝撃。
オールマイト先生は私を抱きかかえたまま砂浜を歩いていく。

「あの・・・下ろしてください」

と言うけれど何故かおろしてもらえない。

オ「ここが私のとっておきの場所だよ」

道路から海へ降りられるよう作られた大きな階段。
何段か登って、座る。

ええと・・・膝の上に抱きかかえられたまま・・・。

オールマイト先生はこういうの超絶慣れているだろうけれど、私は違うので。ドキドキする。

あれ？校長先生の話でオールマイト先生は女性が苦手だって言ってたっけ。
これのどこが苦手？
苦手の基準がおかしい。
そもそも私は女性として見られていないのか。
それはそれで・・・

「ん！？」

突然トゥルーフォームになったオールマイト。

オ「夜の海は寒いかと思ってね」

言いながら、ぶかぶかになったスーツのジャケットで私を包み込む。

膝の上に座って、後ろから抱きしめられている状態。

温かい。
確かに温かいけれど・・・。

「あ、あのオールマイト先生、さすがにこれはマズイですよねー？」

体を離そうとするけれど、トゥルーフォームなのに力がすごいな。

オ「君は何歳からああいう生活をしていたんだい？」

「え？」

オ「イレイザーも言っていたが、君を助けることが出来なかった。それどころか囚われたまま敵として生きる事を強いられていたなんて・・・」

そのことか・・・。

「ある程度の自由はありましたから、助けを求める事も出来ました。でもそれをしなかった。全てを救うことは出来ませんよ。助けを求めない人は特に・・・だから気にしないで下さい」

オ「助けを求めなかった？」

真っ暗な海を見つめながら話す。

「母に売られた時、暴力を振るわれた時、心の底から相手を酷い目に遭わせたいと思いました。自分の個性をその為に使った時、自分の意志で敵になったんです」

オ「じゃあどうして君は・・・そこから出ようと思ったんだい？」

「負の連鎖を作り出している私はずっとその中にいなくちゃいけないんですよ。殺したい程嫌いな奴とずっと・・・。だからなにもかも全部壊したくなったんです。ちょうど敵対する組織と揉めてたし。摘発に向けて動くヒーロー達がいたし、全部いらないと思って・・・」

オ「それは・・・自分すらも・・・？」