雄英高校キラキラ光る (ページ3)

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保健医初仕事ページ3

2、3年生は今日から新学期が始まっている。

保健医として、そうして応急処置を教える教師としての勤務。

年間通しての行事計画など色々書類仕事も多い。
なので今日はほぼパソコンを見つめていた。

「はぁ～デスクワークしんどい」

仕事がひと段落したので学校の裏庭でお弁当を広げる。
ここは人が来ることは少ないのでゆっくり過ごすには最高だ。

本当はランチラッシュのご飯を食べたいが生徒優先。
毎日お弁当持参です。

日の光を浴びてこんな生活を送れるようになるなんて、数年前の自分からは想像できなかった。

あのまま真っ暗な部屋で一人きりで誰にも気付かれず死ぬと思ってた。

「ふうっ・・・」

悪い事沢山したのに、今は先生か・・・。
人生何が起こるかわからない。
でもやっぱり場違いだよね。

上手くやっていけるかなぁ。

そんな事を考えていたら背後の気配に気がつくのが遅れた。

ガサッ・・・

「！？」

音のした方に振り返ると、スーツ姿の男性が壁に寄りかかって苦しそうに息をしている。
顔色も悪いのがここからでも分かる。

ただ事じゃない。

「あの！大丈夫ですか？こっちへ！ここに横になりましょう」

今にも倒れそうで危ない。
強引に腕を引いて、広いスペースに誘導し、ベンチに着ていた白衣を敷いてその上に横にさせる。

脈が速く息が荒い。

？「す・・・すまない。少し横になれば治る・・・から」

弱々しく笑ってみせるが、呼吸音がおかしい。
すみませんと声をかけて、ネクタイを緩めシャツのボタンを外す。
ベルトも緩めるけど、その時腹部に手術跡が見えた。

こんな大怪我・・・。

この人は一体？

「もう大丈夫ですよ。ゆっくり呼吸して下さい。私ここの保健医の柊良と言います」

ニッコリ笑って、ゴツゴツした大きな手をギュッと握る。
体に触れ声をかけてなるべく安心させる。

あ、この手は・・・かなり戦い慣れている手だ。

この怪我といい、プロヒーロー？

？「・・・」

彼は辛そうな笑顔をやっとやめてくれた。
その代わりにじっと私を見つめている。
安心して欲しかったのに、私の笑顔を見て警戒心を強めないでほしい。
これでも笑顔結構練習したんですよ？

「少し傷口を触りますね」

腹部の傷口辺りに手をのせて意識を集中させる。
個性を発動させて痛みの原因を吸収する。