昔話 続き ページ48
大した話じゃないですが、と前置きして話す。
「あの人は、男子バスケ部の先輩。
結構男女仲良く練習してたし、卒業後もちょくちょく先輩後輩で連絡取ってたんだ。
事故のケガで凹んでた時、あの人に色々相談に乗ってもらってた。
そしたら、まあ勘違いさせたみたいで・・・
襲われそうになった事がありまして・・・」
部屋で2人きり。
私も勘違いさせるような言動をしていたのかもしれない。
『俺の事好きなんだろ?』
ずっと仲良くしてたグループの1人で中学生のバスケバカだった私には、何が起こったのか分からなかったけど。
腕の力が強くて、逃げられないって怖くなって、とにかくやめてって言ってた。
『分かってて付いて来たくせに!』
そう言われて、気がつかなかった私が悪いのかって思ったり、
そっちが勝手に勘違いしただけでしょって思ったり、
思い出すたびに頭の中ぐちゃぐちゃになってたけど。
「・・・!?」
こっち向くなよ影山。
「未遂だったし。
それに逃げる時、膝蹴りで相手の鼻の骨折っちゃったし。
それ以来ずっと会ってなかった・・・
んでちょっと男性恐怖症気味になって。
でも今日偶然会っちゃって・・・
あ、そう言えば鼻ちょっと曲がってたね。
ざまあー!」
一息に話し終えて、ココアを飲む。
ぬるい。
「影山のお陰で、話できたしスッキリ出来て良かった」
「俺の?」
「うん。1人だったら、絶対逃げてたし」
「そうかよ・・・もう平気なんだな?」
「影山のクセに心配すんなってば・・・もう平気です・・・」
「心配すんだろ普通」
家族にも言ってなかった話、しちゃったよ、男子に。
しかも影山に。
「なあ、俺の事も・・・怖いか?」
「え?影山?最初目つき悪くて怖かったけど。先輩と違う怖いかな?」
「?」
「影山も翔陽もバレーバカ過ぎて怖い。狂気じみてる怖さ」
「日向と同じ!?」
「私の個人的感想だから怒んないでよ!それに影山は私の事そーいう目で見てないの分かるから怖くない」
「そーいう目?・・・あ!?当たり前だボゲェ!」
「ついでに、言うと、あ、あの・・・こういう話して・・・影山にどう思われるかは・・・正直怖い」
13人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:球技大会 | 作成日時:2019年9月9日 19時