烏野高校排球部 キラキラ光る

何度だって ページ20

これが3年生か。
うっひゃー！テンション上がる！
影山悔しそうな顔しやがって。ショックだってバレバレだ。
取られる事も考えて動かないと、味方にも動揺が走っちゃうでしょうが！

そこに畳み掛けるようにツッキーの挑発。
このタイミング狙ってくる辺り、さすがだけど、性格悪。

「なんで王様って言われるかわかってるの？」

聞こえてくるのは中学時代の影山の話。

自己中の王様
横暴な独裁者

あったものが無くなる辛さ、怖さ、寂しさ、は分かるつもり。
私は仲間に別れを告げたから。
左膝を見る。

負けたくなくて、焦って、もっと早くっていう勝ちへの執念、思いは時々自分を苦しめる。
それで誰も仲間がいなくなってたとか、どんだけだよ。
不器用過ぎだろ。
でもそこまで突き進んだ影山。
翔陽と同じくらいコイツも怖い。

また、トスを上げた先に誰もいなかったら。

「でもそれ中学の話でしょ」

翔陽。

「俺にはちゃんとトス上がるから別に関係ない」

やっぱり凄いよ。

「影山！！いるぞ！！！」

「俺はどこにだって飛ぶ！
どんなボールだって打つ！
だから俺にトスもってこい！」

1番欲しい言葉をくれる。

「スパイカーの前の壁を切り開く。その為のセッターだ！」

だからほら、影山も前に進める。

すごい集中。
考えろ考えろ、見逃すな。
ほんの一瞬も見逃すな。
想像してその通りに身体が動くんだな影山。

凄い。

翔陽の飛んだ所ドンピシャにトスが上がる。

「目え瞑ってたぞ！」
「はあ！？」

さすが翔陽だよ！

「翔陽！！さっきの感覚忘れないで！！もう一回！何度だって、飛べ！！」
大声で翔陽に叫ぶ！
「おう！！」
ニカって笑った翔陽。
楽しい。凄く楽しい！！

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