ちょびっとだけ ページ17
田中先輩は私の肩に手を置いた。
「お前も潔子さんのあのお美しい立ち居振る舞いに魅了された1人か。わかるぜ！だが安心しろ！潔子さんを崇め奉る同胞として・・・歓迎する！」
「た、田中先輩ー！！」
「なあ、あれ何だ影山・・・」
「あんま見んな。バカが余計酷くなるぞ」
「「聞こえてんぞ影山ー！！」」
「うお！？チカが田中先輩化したー！」
〜朝練後〜
「うう、疲れた。腕痛い」
教室で机に突っ伏す。
田中先輩のスパイクスゲエ。
ほんの出来心で取ろうとしたけど、腕どっかいったかと思った。
腕の内側内出血してる。
「おはよう千景！朝練どうだった？」
「おはようなっちゃん。腕どっかいった」
「ちゃんと付いてるよ。でも真っ赤だね。大丈夫？」
「手震える。見て、ジュース飲みにくい」
紙パック持つ手がプルプルする。
「ふふふ、でも楽しそうで良かった。頑張ってね！」
「ういっす」
それからなっちゃんにバスケについての質問責めにあった。
「細かいルールとかこんな感じ。わかった？」
「うん。ありがとう！後でスコアのつけ方も教えて！」
「良いよ。ぐんぐん一本で手を打とう！」
「分かった！ありがとう」
話し終えると、隣の影山を見る。
寝てると思ってたら、その姿勢のまま目だけ開いててビビる。
「うお！起きてたの？」
「うるさくて起きた」
くわーって大きな欠伸をした後また同じ姿勢に戻る。
首だけこっち向いて目開いてんの怖い。
「な、何？」
「お前バスケ部じゃなくていいのか？」
「ん？まあ、確かにまだ夢見るよね。プレイしてるの。でももう全力プレイ出来ないしさ。それにバレーも結構面白いし」
「ふーん」
「何もしないって決めてた時よりは、今の方が吹っ切れて、バスケでもバレーでもめちゃくちゃ楽しい！」
つい油断してニシシって笑ってしまった。
チラッと影山を覗き見ると、
「へえー」
とだけ言って顔の向きを変え寝始めた。
「聞いといてこの仕打ち！」
やっぱりコイツムカつく！
〜影山〜
んだよ、ちょびっと心配したのに。
笑うとか気持ち悪いだろ。
クソ。
ほんのちょびっとだけ可愛いかったじゃねえか。
ちょびっとな！！
クソ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 13人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：球技大会 | 作成日時：2019年9月9日 19時
