プリン三昧のフーファン短編集 (ページ10)

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貴方と生きる、それは何か　プリン×創作御侍 8 ページ10

8.
　それぐらい、自分は彼を思っているのだろう。
　どうでもいい、と。
　自分の欲さえ満たせていれば、彼の自分に対する心証など、まるでどうでもいいのだろう。
　彼が自分を必要としていても、自分は彼を必要としていない。
　彼のような存在であっても、きっといずれは死んで、自分との契約を破棄する未来が来るのだろうと、自ずと察することはできるのだ。
　欲望のまま。本能と理性のせめぎあう境に居座り、二人で利用しあう関係がどれほど長く続くのか。
　自分を必要とする御侍を。
　彼を見て、食霊は心を改めた。
「わかっています」
　わかったつもりで、理解した振りで。
　貴方と今日も、生きていく。
　貴方の透き通った心はまるで、薄虹色の自由であるべき泡を閉じ込めた硝子細工か、淡い光を湛えた無垢な宝石のようだ。
　その光が薄らぐ要因となりえるものが貴方の一生のなかで私だけなら、どんなにいいか。
　泣きたくなどない筈なのに、顔を苦しそうに赤らめ、自分を見上げる青年の目元に鬱陶しくも溜まってしまった多量の涙を、指先で拭い取る。
　貴方と生きる、それは何か。
　結局、いつ頭を働かせても、求める答えは虹の架け橋のように掴めはしないが。
　私は貴方が壊れぬよう、惨めな醜態の血を得て生きる混ざりものの頭に、脳に。ありったけの感情と、それなりに役立つ教育をこれからも施そう。
　私にできる、精一杯の善行を。
　貴方と、月の下で歌う彼女だけが、
　最期まで味わえますように。