プリン三昧のフーファン短編集 (ページ9)

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貴方と生きる、それは何か　プリン×創作御侍 7 ページ9

7.
　いつからか。
　二人の間に、目では捉えられないほど、僅かな亀裂が生じ始めたのは。
　初めは理由を必要としない単純な忠誠欲と、規律を守らなければならない使命感が混同していた。
　御侍の事など、どうでもよかった。
　自分が全うすべきものは先に有って。最優先事項は自分が心に決めた、御侍以外の人物だった。
　なのに、御侍の境遇と人格を共に活動する経験を重ねるにつれ詳しく知るや否や。
　目前の、人間達の都合に理不尽ながらも振り回される哀れな混ざりものを幸せにしてやりたい愚鈍な欲が出てきてしまっていた。
　自分のどこかで彼に対する愛情というものが芽生えつつあるのか。ただ甘やかし、人並みの生活を送らせることができたら満足なのかは、食霊すら理解していなかった。
　明確に。溶け込むように骨身へ染みている事実はいつだって、彼の望みを客観的な憶測だけで決め付けては、それを彼が心の底から欲していると誤解した上で彼の願いを叶えようとする食霊にあるまじき、妙なところで人間じみた自分の薄汚い浅ましさだけだった。
　それが自分の犯した間違いだったと知覚しても、彼に対する謝罪の言葉など、微塵も浮びはしなかった。

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