プリン三昧のフーファン短編集 (ページ4)

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貴方と生きる、それは何か　プリン×創作御侍 2 ページ4

2.
　堕神の襲撃を受けた後の惨憺たる町並みは見るに堪えない。抉り取られ、堕神の腹に収められた内臓の近辺にあった腸は瓦礫の下で赤黒く変色し、干からびていた。
削ぎ取られた皮膚は崩壊した屋根の上へ無惨に投げ棄てられ、長いあいだ日に曝された影響で、生き物の身体の一部であったと判別できる程の潤いを失っていた。
　自分に奇襲を仕掛けた暴食が町を離れていく後ろ姿が、遠目に見えた。暴食が意気揚々と巨大なフォークを掲げる。人肉を接合し、構築された蛸のような赤い触手の側をぴたりと離れずに同行していた手下の堕神もそれに引き続きフォークを掲げる。
　あの仕草はグルイラオ近辺の堕神が殲滅後にやりがちな集団行動の一種だ。
　安心できるような場所には行き着いていないが少なくとも、同じ堕神の襲撃を受ける可能性は低下した。
　進捗は順調と見て間違いない。
　北へ歩いてゆくにつれ、空気が新鮮になっていく。町の近隣に佇む厳かな森林を目前にして、この先にと力強い一歩を踏み出す。
　緑の生い茂る空間で二人分の子供の声が反響している。とても元気で、楽しそうで。それでいて、愉快な声だ。
　この声が聞こえるのなら、目指していた場所はすぐ近くにあるのだろう。
　アシスト系に分類される知人が居て、助かった。
　一軒のカフェが見えたところで、食霊はやっと、心の底から安堵した。

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