≪B-PROJECT≫#こたつプラス ×14人

with野目龍広_2 ページ6

「タツくん」

ようやく彼の名前を声に出せた。
ふ、とその綺麗な瞳を細めれば、左目の下に並んだ二つの黒子も微かに歪む。

私は手を伸ばして彼の首元へと抱き着いた。「ったく」タツくんはため息交じりにまた、そう言う。

「今日だけだぞ」
「……うん」

抱きかかえてくれるたくましい腕に安心して、移動する揺れを感じながら、私はもう一度、瞳を閉じた。


隣の部屋に置かれたベッドに、優しく降ろされる。「…A」タツくんの声がして、そっと頭を撫でる優しい手の感触。

私を包み込む布団の魔力はすさまじかった。眠りに落ちるその直前、タツくんのシャツの裾を握る。

弱々しい握力だけど、タツくんはその意図を理解してくれたみたいで、ふっと笑みを浮かべる吐息が聞こえた気がした。

「おやすみ、A」

シーツの沈む感覚で、タツくんが隣に寝転んだのがわかった。背中に回された手がトン、トンと一定のリズムを刻む。


心地よさに包まれながら、いつしか私は眠りに落ちていった。

タツくんの優しさは、こたつよりもずっともっと、あったかい。
それはとても幸せな感覚なのだと、そう思う。


＋＋＋＋＋
「こたつで寝たら風邪ひくぞ」野目くんの優しい声にううと唸り声で返事する。「ったく」呆れたようなため息と共に布団がめくられぬくもりが奪われた「しょうがねえな」突然の浮遊感に驚いて目を開けると二つ並んだ泣き黒子。「今日だけだぞ」たくましい腕に安心してもう一度目を閉じた #Bプロプラス


野目くんはどこぞのリス紳士よりも紳士なんだと思います。手は出せない。最初はいちゃついたり絶対無理なんだろうなあと思いながらもそんな野目くんだからこそ優しく触れていただきたい。

with釈村帝人_1→←with野目龍広_1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す