≪B-PROJECT≫#こたつプラス ×14人

with増長和南_2 ページ14

と、こたつ布団に肉じゃがの汁が飛び散っているのに気づく。ええと、ティッシュは…和南くんの側にあった。

「和南くん」
「ん？」
「ティッシュ取って？」

頼めば、無駄な動作なく「はい」と箱を差し出してくれる。

「ありがと」

お礼を伝えてそれを受け取り、ぽんぽんと汁の染みを叩いた。

ふと和南くんに視線を戻せば、こちらを見て微笑んでいる。

「え、何？」
「ん、いや」

今のやりとり、と言葉を続ける和南くんの笑顔が優しすぎて、どきりと鼓動が音をたてる。

「なんだか熟年夫婦みたいだなって、思って」
「……和南くん」

言って、自分の言葉に照れたのか、和南くんの頬が少しだけ赤くなる。きっとわたしの表情も、似たようなものだ。

あ、はは、は。急に気まずくなって、どちらからともなく詰まった笑い声をあげた。どきどきを誤魔化すかのようにひとしきり続けたあと、

「でも」

和南くんはふとこちらをじっと見て、言葉を紡ぐ。

「今はまだまだだけど、いつかそうなれたらな…とか」
「……ええっ」

驚いて変な声を出してしまうわたしを見て、和南くんの顔はさらに真っ赤になった。


＋＋＋＋＋
色違いの半纏を着てこたつに向かい合いとりとめもなくバラエティ番組を眺める。和南くんティッシュ取ってと頼めば「はい」無駄な動作なく箱を差し出してくれる。ありがと、とそれを受け取ると笑みを浮かべる彼。何？「なんだか熟年夫婦みたいだなって」自分の言葉に照れて頬が染まった #Bプロプラス


和南くんは難しい子。表面をなぞるときもあれば切り込んでみたくなる時もあるし、いっそ突拍子もないキャラ付をしてしまいそうになるときもあります。だけどわたしの中では、こうして穏やかな時を共有する和南くんがいっとう好きかな、と思います。

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