【男主】もう一人の劣等生

１０　入学式 ページ12

朝日が差し込み目が覚める
リビングに向かう

制服を着て学校への準備をしている二人
この光景を見れることに
少しばかりの幸せを感じる


『おはよう』


深「A！おはようございます」


笑顔を振りまきながら
寄ってきてくれる深雪


達「おはよう、A」


コーヒーカップを片付け
深雪も後ろから歩いてくる達也


『そろそろ、家を出るよな』


達「ああ、支度は出来ているのか？」


深「私は大丈夫です
Aはどうですか？」


『ああ、大丈夫だよ』


達「なら行こうか」


深「はいっ！」


CAD(ピアス)を手に取り耳につけ
三人で家を後にし学校に向かう


真「達也くーん！！！」


後ろから手を振りながら
会長が走って向かってくる


真「達也君おはよう！
深雪さんもA君もおはようございます」


達「お、お早うございます会長」


深「おはようございます」
『おはようございます』


真「深雪さんに少し
お話した事があるのだけれど
今日のお昼はどういうご予定かしら」


会長の質問に少し戸惑いながらも
達也と俺の方を見てくる深雪


『会長、お昼は三人で食べる予定で
もし宜しければご一緒してもいいですか？』


真「あら、仲がいいのねっ
三人で生徒会室にいらしてちょうだい
皆、でお話いたしましょう」


ニコニコしながら
「お昼に」と先に行ってしまった
会長の姿が小さくなっていく


『勝手に話を
進めたみたいになってすまない』


達「いや、俺は大丈夫だ」


深「私も大丈夫です
それに三人でお食事できるの
凄く嬉しいですもの」


二人を見ていると
人間として扱われている現実に
幸せを感じる


『俺も凄く嬉しいよ』


微笑みながら深雪の頭を撫でる
一時かもしれないけれど

兵器や化け物扱いされない
この環境が続けばと思った

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