謝れば許されるとでも？

Hypocrite ページ40

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音に驚いて振り向くと、虚ろな目をして座り込んでしまったAの姿が見えた

やってしまった

彼に聞かれてしまった

「「A！！」」

みんなが慌ててAの元へ行く

僕が1番早く駆け寄ってあげなきゃいけないのに

なのに、僕の足は動こうとしてくれなかった

パニック状態になり、頭が働かない

「りぶさんも早く来てあげてください！貴方よりもAさんの方が混乱してるんですよ！？」

歌詞さんが僕を呼ぶ

「あ……うん」

未だにぼんやりとする頭をなんとか働かせて、Aの元へ向かった

〜･〜･〜･〜･〜･〜･〜･〜･〜･〜･〜･〜･〜･〜･〜･〜･

「とりあえず落ち着かせてきたよ。しばらくの間は1人で居たいらしい」

過呼吸になっていたAに付き添ってくれていたうらたさんが降りてきた

良かったと安心すると共にやり場のない感情が湧いた

僕が本心を言ってしまったからこうなった、自業自得だ

それは僕が1番分かっている

だけど、僕の頭はAが居るタイミングで家に来たこの人たちのせいにしたがっていた

しーんと静まりかえったリビングに男が6人

微妙な空気が流れ、居心地が悪い

「……僕たち、Aのこと傷付けてばっかりですね」

ポツリとまふまふさんが呟いた

「すみません、僕がりぶさんを煽るような物言いをしなければこんなことにはならなかったのに」

申し訳なさそうに眉を下げる歌詞さん

「大丈夫、です……そもそもは僕が始めた偽善が発端なんで……僕が全部悪いです」

事件を利用してやろうと考えたときから、歯車は狂っていたのだろう


「俺は少なくとも、偽善だったとしても、あの時手を差し伸べてくれたりぶさんの優しさにAは救われてたと思う」

うらたさんがはっきりとした口調で言う

「りぶがAの味方に付いてくれてなかったら、アイツがニコ生やったり歌い手復帰したりすることもなかっただろうから」

相変わらず気に障る言い方だが、そらるさんなりのフォローなのだろう

「自分が全部悪いなんて言わないでください……そう思うことで丸く収まるなんて考えないで」

天月くんもフォローを入れてくれる

でも、僕がAを傷付けてしまったことは事実で

僕には、この先どうすれば良いのかなんて分からなくて


俯いていると、歌詞さんが口を開いた

「りぶさんも僕らみたいに彼に謝り続けましょう？一生後悔し続けることが僕らに出来る最大の償いです」


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