ちちんぷいぷい、恋になぁれ。 (ページ31)

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こわいゆめページ31

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『……っ、んっ……まっ、待って！行かないで！』

私は、この日

怖い夢を見た。

『…っ、はぁはぁ……』

うなされる自分の声で目を覚ました私は
身体中冷や汗をかいていて
息も荒々しかった。

望「……A？」

そんな私の声に
横で寝ていたのんちゃんも目を覚ました。

『あ、ごめん…起こした？』

望「ううん、大丈夫やで。……それより、その汗。怖い夢でも見たん？」

『うん。……おじちゃんがな、ずっと遠くに消えてしまう夢。呼んでも呼んでも、おじちゃんは笑ったまんま、段々私から離れて行くねん』

ーはまちゃんが死んだ…

あの日の照史くんの声は
今でも耳に残っている。

照史くんと淳太くんに連れられて
急いで駆けつけた病院には
冷たくなったおじちゃんがいた。

だいすきなおじちゃんは
優しく微笑んで
まるで眠っているみたいで

もう会えないなんて
信じられなかった……。

望「……ほら、おいで」

『のんちゃん…』

寂しくてたまらなくて

怖くて泣きそうで

……だけど、今

私には
おじちゃんがくれたクマさんがいる。

望「俺が守る。Aのそばに、ちゃんと俺がおるから」

『うん』

大きな大きなクマさんの胸は
あったかくて
優しくて

私は、ゆっくり…瞳を閉じた。

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