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「ただいまー!」



時間的に誰もいないと思った住宅スペースだけど、慎太郎の元気な声を放つと、リビングの扉から大我くんがひょっこり顔を出した。



「おかえり。お客さん?っていうか、さっき面接来てた子だよね?」



「ジェシーだよ!お友達!」



「さっきはありがとうございました。
この子、父親の違う弟なんですけど、慎太郎くんと同じ保育園に通うことになったんです。」



「樹がちゃんと敬語使ってるって、やっぱ違和感だわ。」



「Aちゃんの知り合いなの?」



「2人の関係、話が脱線し過ぎて、結局俺もまだ聞いてないんだけど。」



北斗に言うならともかく、クリニックに就職したら大我くんは樹の上司になるわけで。

大我くん相手に、昔何回も補導しましたっていうのは言いにくい。



「もしかして、元カレ?」



言いにくい元凶はすごく楽しそうだし。
もういっそ、そういうことにして誤魔化しちゃう?



「仮に元カレだったら、確実に俺と期間被ってるから。」



ダメだ、そういうことにすると面倒なのがいた。



「面接のときも少し触れたんですけど、昔ちょっと荒れてた時期に、お世話になったんです。」



すでに話してたんかい。私の気遣いを返して欲しい。ちなみに訂正すると、「ちょっと」ではない。



「にぃにの昔の写真、カッコいいんだよ!
髪の毛ピンクで、ジャラジャラしたのいっぱい着けてるの!僕、黒い髪のにぃにより、ピンクのにぃにが好き!」



「ジェシーのお兄ちゃん、髪の毛ピンクだったの?!
すごい!お父さんも、他の色にしようよ!」



「俺はこのままでいいの。慎太郎とお揃い。」



「えー…それじゃつまんないじゃん!
お母さん、どうやったら髪の色変わるの?」



「毎日毎日、お父さんが自分の頭に、何色になーれって秘密のおまじないをかけるの。」



「そうなの!?お父さん、早くかけてよ!」



「キラーパス寄越すのやめてもらえる?
髪はね、違う色にするお薬をつけると色が変わるの。」



「北斗中学生くらいのころ、金髪にして父さんに叱られてなかった?」



あー、懐かしい。確か私が最初に染めるって言って、北斗も最初は「俺は止めとく」って言ったものの、若干反抗期入ってたからか少し煽ったらコロッと染めたんだよね。

そしてその後、薬剤で私の頭皮がかぶれて、おじさんに診てもらうハメになって、2人仲良く叱られたんだ。



「昔のことなんだから、いい加減忘れてよ。」



お互いに気まずい仲だなんて言ってるけど、拗ねるように口を尖らすのはやっぱり弟の姿だった。

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ぽん(プロフ) - 続きが楽しみです!更新楽しみにしています (8月8日 21時) (レス) @page7 id: ff3dfdb4f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いちごじゃむ | 作成日時:2023年8月4日 11時

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