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「お前、1人で帰れんの?」
「大丈夫ですよ、さっきまで一緒に勤務してたじゃないですか。」
迎えなんて呼ばれた日には、人前だということも気にせず、持ち前の過保護を発揮されるのが目に見えている。それに、何でこれほど酷くなるまでムリをしたんだとか何とか、くどくどくどくど2人から言われるだろう。
「さっきまで勤務をしてたのが奇跡だから言ってんだよ。」
「ほんと、大丈夫ですって。解熱剤あるんで。」
「山田、お前の同期があり得ないほどバカなんどけど、どうすればいい?」
「いやいや、ニノさんの相棒でしょ。
こうなったら、俺らから家族に電話しましょうか。」
待て待て、具合悪いって職場の人から連絡がくるなんてことがあったら、想定できうる最悪のパターンになるじゃん。
それなら、まだマシそうな大我くんにこっそり連絡するしかない。
「分かりました、呼びますよ。」
刑事のバディは信頼が大事なんて言っておきながらも、怪しいから目の前で掛けろというニノさんの圧で私はスマホを手に取った。
「もしもし、大我くん?」
「どうしたの?やっぱり具合悪くなった?」
「あー…いや、そんなに酷くはないんだけど、職場の人にお迎え呼んで帰った方がいいよーって言われたから…っ?!」
不意にスマホを取り上げられ驚いて振り返れば、ニノさんがスマホを耳に当てていた。
「こんばんはー。Aさんと組んでいる二宮です。
Aさん、こんなこと言ってますけどさっき熱測ったら39.6度もあったんですよ。それなのに、本人は明日の朝から普通に当番勤務するとか言ってたので、お迎えお願いすることにしました。」
……終わった。こんなの、北斗とおじさんに知られたらどうなるか分からない。
「もう一度Aさんに代わりますね。
…はい。スマホ奪われるくらい隙があるんだから、諦めて帰りな。」
ニヤニヤしているニノさんに無性に腹が立つ。
「あのー、北斗とおじさんにバレないように来てもらえないかな?こんなのバレたら、絶対面倒なことになる。」
「俺、ペーパーなの知ってるでしょ?Aちゃんのお仲間の仕事を増やしちゃうだけだよ。
あと、ものすごく言いにくいんだけど、職場の方と話してる途中から、こっちスピーカーにしてる。
想像以上の高熱に驚いて声出しちゃったから、北斗と父さんも気づいて、スピーカーにしろって。」
は?今の会話聞いてたってこと?
「大我に寝てる慎太郎は頼んで、俺が北斗を乗せて運転していくから。」
最悪のペアじゃん。
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ぽん(プロフ) - 続きが楽しみです!更新楽しみにしています (8月8日 21時) (レス) @page7 id: ff3dfdb4f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちごじゃむ | 作成日時:2023年8月4日 11時