やっぱり ページ17
｢俺がやるから座ってて｣という大我くんの言葉により、ちびっ子2人とソファでDVDをみていた頃、職場から連絡が入った。
少し大きな事件が起きたのと、体調不良の人が出たのが重なり、人手が足りないという呼び出しだ。
まぁ警察官をしていればこんなの日常茶飯事だ。
｢ごめん、急に呼び出されたから仕事行ってくるね。｣
｢相変わらず大変だね。体大丈夫なの？昼ご飯はどうする？｣
｢だから大丈夫だって。お昼も適当に買って食べるから。｣
野菜ジュースか何かを、という都合の悪い言葉は胸の中だけに留めておく。
慎太郎とジェシーくんにも行ってきますをすると、ジェシーくんがいるからか慎太郎からはあっさり行ってらっしゃいをもらった。
泣かれるよりは心が痛まないけど、これはこれで少し寂しいものがある。
人手が足りなくて呼び出されたという理由の通り、職場についてしまえば、体のだるさを意識することもないくらいに忙しさの波にのまれた。
そうなると、当然忙しさの波が去った頃に反動がくる訳で…
｢お前、生きてる？｣
｢生きてますよ、失礼な。｣
何とか一段落つき分駐所までもどった夜の10時過ぎ、デスクに突っ伏したまま動けなくなってしまった。
だるさは昼前の比じゃないし、喉も痛む。おまけに口内炎みたいなものまでできているとなれば、思い当たる節は1つしかない。
｢昨日、当番明けに子どもの世話してたから、疲れてるだけです。｣
｢でも顔赤いぞ。中丸、救急箱の中から体温計とって。｣
同じ班の中丸さんから体温計を渡されるけど、測るのをつい躊躇してしまう。
｢こういうのって、体温が高いと分かると余計にしんどくなりませんか？
明日はまた朝から当番なのに。｣
｢バカなの？疲れで頭やられた？｣
｢可愛い可愛い相棒兼後輩に酷くないですか？｣
｢冗談抜きで、その様子じゃ明日の朝から勤務するの厳しいだろ。｣
｢いやいや、そんなに具合悪い訳でもないですよ。
熱があったって、精々微熱じゃないですか？｣
なら測ってみれば？と中丸さんに押しつけられて渋々体温を測る。
音が鳴って体温計の表示を見ようとしたら、横からひゅっと手が出てきて体温計を奪われた。
｢うわ、よくこれで今日働いてたな。｣
これまた同じ班の同期の山田が、なんか引いたような顔でニノさんと中丸さんに体温計を見せつけた。
｢微熱の定義、ガバガバだな。｣
｢ほんと、よくさっきまで仕事してたな。｣
表示は、39.6だった。
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ぽん(プロフ) - 続きが楽しみです！更新楽しみにしています (8月8日 21時) (
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作者名：いちごじゃむ | 作成日時：2023年8月4日 11時
