うちの過保護な番犬くん (ページ13)

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夕方になって北斗が仕事から帰ってきた。

｢ただいま。慎太郎の調子どう？｣

｢午後にお昼寝から起きてからは、少し元気出てきた感じかな。
触った感じ熱も下がってそうだったから、さっき測ってみたら、37.8度だった。｣

おかえりー、と手を伸ばしてくる慎太郎を、北斗が抱き上げる。

｢確かに、朝より熱くないね。よかったなー、慎太郎。｣

｢へへ。良い子にしてたもん。｣

褒めて！と顔面で主張してくる慎太郎を、お望み通り北斗が褒めると、嬉しそうに北斗の肩に頭をぐりぐりした。

｢Aは当直明けだったけどちゃんと休んだ？｣

｢大丈夫だって。慎太郎が１番しんどいときに仕事行ってたのに、当番明けだから寝てますなんてできる訳ないでしょ。｣

｢またそんなこと言って。疲れが溜まると免疫力だって落ちるんだからって何回も言ってるじゃん。｣

出た、過保護モード。どうやって回避しようかと考えていると、タイミングよく大我くんとおじさんが帰ってきた。

｢いやー、受付終了間際に来る子が結構いて、遅くなっちゃった。
夕飯、Aが作ってくれたの？｣

｢うん、これは遅くなるやつかなーって思ったから、慎太郎が寝てる間に。｣

｢それはありがたいんだけどさ、ちゃんと休んだ？
疲れが溜まると免疫力下がるんだからね。｣

この似た者親子が。過保護モード回避だと思ったのに！

｢大丈夫大丈夫、ちゃんと休んだから。｣

｢は？さっきと言ってること違うだろ｣

北斗が何か言ってる気がするけど聞こえない。

｢慎太郎、みんな帰ってきたからご飯にしよっか。｣

｢ちょっと、話終わってないんだけど！｣

ご飯の支度をしようとキッチンに行こうとしたところで、おじさんから腕を掴まれた。

やば。

｢ご飯作ってくれたんだから、後はゆっくり座ってな。あと、ご飯食べたら少しお話しよっか。｣

これ、ホントに｢少し｣で終わるのか？
とりあえず、圧に負けて慎太郎と二人ダイニングテーブルに座った。

｢慎太郎、ご飯このくらいなら食べられそう？｣

北斗が慎太郎のお茶碗に、いつもより少し少なめにご飯を盛り付ける。

昨日はお粥を少しだけと聞いていたから、頷く慎太郎を見てホッとした。

正直、なんだかあんまり食欲わかないから、私も少なめにしよう。

｢A、食欲ないの？｣

こっそり黙ってご飯を少なめに盛ったのに、何で北斗はこうも目ざといんだろう。

｢そういう日だってあるでしょ。｣

心配だのブツブツ言っているのは、聞こえない振りをした。