うちの過保護な番犬くん (ページ11)

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今日も、治安の良さはどこに言っちゃったの？というレベルで大忙しだ。

昼休憩を取ろうとしたタイミングで無線が入り、それからはバタバタで、休憩を取れたのは予定の2時間後になった。休憩といっても、車の中で食事をするくらいのものなんだけどね。

LINEを確認すると、北斗からメッセージが来ている。

『慎太郎、昼頃に喉に水疱が出てきた。ヘルパンギーナ感染しちゃったみたい。
ちなみに、ジェシーくんも同じ。
のどが痛いってロクに水分もとれないから、父さんのところで点滴してもらってる。』

ついてきた写真には、目を潤ませ目を赤くして北斗に抱っこされる慎太郎の姿があった。

『かなり辛そうだね。ヘルパンギーナって、治るまで結構時間かかるの？』

既読はや。

『何もなければ、おそらく5日くらいで良くなると思う。食事と水分を摂ってくれないのが心配ではあるけど。』

『慎太郎が電話したいって言ってるんだけど、いま大丈夫？』

『休憩中だからいける。
顔みたいからテレビ通話でもいい？』

可愛いOKのスタンプが返ってきた。

｢すみません、ちょっと息子に電話掛けるので外出ますね。｣

｢暑いからここですれば？｣

確かに、うんざりするような外の暑さを思い出すと、ニノさんの提案はとても魅力的だ。

｢ありがとうございます。じゃあ、ここで。｣

テレビ通話をタップすると、1コールもならずに応答があった。

｢もしもし、慎太郎大丈夫？｣

｢慎ちゃん、もうやなのぉ…のどいたいぃ…
お母さん、いつ帰ってくるの？｣

｢明日の朝には帰るよ。
それまで、お父さんとおじいちゃんと大我くんと、お留守番しててね。｣

｢おじいちゃん、痛いことするもん。慎ちゃんキライ｣

｢さっき点滴されてからこんな感じなの。
父さん、ショック受けてるのバレバレで、うわごとのように、｢小児科だからこんなの慣れてるし｣って繰り返してる。｣

何それ、おじさんには悪いけどウケる。
北斗も笑ってるし。

｢でも、慎太郎が早く良くなるようにしてくれたんでしょ？
それなのにキライって言ったら、おじいちゃん悲しくなっちゃうよ？｣

｢お父さんと同じこと言う…｣

口を尖らせて拗ねるのは、北斗そっくりだ。

無線が入ったので急いで慎太郎にバイバイし、仕事に戻った。