２４１Ｑ ページ4
Aside
秀徳との試合は、前回と同じで、よく雨の降る日だった。
俺達誠凛と秀徳が観客たちの前へ出ると、すぐさま大きな歓声が上がった。
その時見た真くんの顔は、前とはまるで別人である。
「今まで戦った『キセキの世代』は無敗ゆえにどこかスマートさが残っていた。
『価値のある敗戦』とか『負けて強くなる』とか言うときがあるが、どういう意味か分かるか？
本来生物にとって勝利は生、敗北は死を意味する。たとえとしては極端だが、事実人間の本能にもそれは残ってる。
敗北の恐怖を知った人間は、勝利に飢える」
木吉さんのたとえは上手い。
真くんの顔ははやくご飯が食べたくて食べたくて仕方の無い獣のようだ。
けどね、お腹がすいてるのは君だけじゃないんだ。
「負けるのなんざ、一度でたくさんだ。腹ペコなのは」
「こっちも一緒です」
飢えた獣たちの試合が、始まる。
試合が始まる直後、和ちゃんは言った。
俺達にかまうほど緑間君はゆとりがない。火神のことを完全にライバルとして見ているんだと。そしてそれは秀徳全員一緒だと。
ジャンプボールをとったのは誠凛だ。
木吉さんと秀徳の大坪さん、ほぼ互角だったけれど木吉さんが触れたボールを伊月さんがとる。すぐに和ちゃんにはじかれてしまったけれど。
あぁ、今回の試合俺は途中からの参加だ。
秀徳の選手にボールが渡りシュート体制に入ったが、それを黒子がはじく。
が、それを拾ったのは真くんで、３Ｐのフォームをとった。
だがまた火神がそれを阻止。
開始何秒、いきなり火花バッチバチ。
そんな様子を俺はベンチで眺める。見ている限り思うのは
「真くんらしく、ないなぁ」
彼は打てないシュートは打たないイメージがあるけど、さっきから何度も何度も打って打って止められて止められて。
きっと火神が飛べなくなるのを待っている。
そして真くんへ何度目かのボールが渡る。
3Ｐを打とうとするのを木吉さんが止めに入った。
木吉さんなら止めれる、なんて思っていたのに、彼はなんと後ろに回っていた和ちゃんへパスを回した。
本当に真くんらしくない。
いや、それは夏までの真くんのイメージなだけできっとこれからは、彼も仲間を頼ることが当たり前となるのだろう。
彼は変わった。いい意味で。
こんな時だけどなんだか嬉しくて、口元がにやけた。
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こたきんぐ(プロフ) - しゅるさん» だーすんごい嬉しい反応貰っちゃったへへ！！ありがとうございますっっこれからもたまに漂う幼馴染み臭を楽しんでもらえたらいいなって思います！ (2023年2月6日 19時) (
レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
しゅる - あばーー！！かっこよすぎるよ！主くん！！幼馴染みのきーちゃんと似たような感情で、似たような台詞で、似たような場面で！！幼馴染み最高！！やばすぎる…！ (2023年2月5日 19時) (レス) @page49 id: 29acc038ba (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - にゃん太さん» ですよね！？マジで永遠に畑耕して牛達の世話してます笑笑 わ〜ほんとですか！！貴重だ〜！！ありがとうございます、マイペースですが頑張ります！！ (2023年2月5日 9時) (レス) id: 3b9b192a4a (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - らぶさん» おお！？蘭推し嬉しいです！！蘭の心情もいずれ書こうと思ってますので…🤗ありがとうございます、頑張ります！ (2023年2月5日 8時) (レス) id: 3b9b192a4a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん太(プロフ) - 牧場物語が面白すぎるのまじでめっっちゃわかります！！！！実は初期の頃から読ませていただいていたりします。ず〜〜っと大好きな作品です！作者様のペースで頑張ってください！！！！ (2023年2月5日 6時) (レス) @page49 id: e8e9837ec5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こたきんぐ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時：2020年5月24日 10時
