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Aside
今回の丞成高校との試合は火神のありえないくらい飛ぶレーンアップで幕を閉じた。
最後の最後でバランスを崩して倒れていたけど。
でも、さすが天才だ。やはり火神はキセキの世代と肩を並べる存在に違いない。
百八対六十一で俺達の勝ち、無事にWC東京代表を決める決勝リーグへ上がることが決定した。
その出場校四校が決まったわけだ。
一つは俺達誠凛、そして秀徳、泉真館。最後は花宮さんがいる霧崎第一である。
WC予選決勝リーグ一日目、俺達は夏に敗れた泉真館との試合だった。
木吉さんが入ったことと、夏の地獄のような特訓の成果で泉真館にはリベンジを果たすことができた。
次は真くんや和ちゃんがいる秀徳高校。
浮かれている暇なんて、無い。
「まず間違いなく次は相当厳しい戦いになる」
「でも…こっちには木吉先輩もいるし、こっちも前とは違うじゃないですか」
「前やった時も勝ったし…」
日向先輩の言葉に、降旗たちが反応し、返す。
前とは違うなんて、皆そうだ。
「そう、かなぁ」
「え?」
「だからこそ次の試合は苦しい気がします」
「黒子君や長崎君は勘違いしてないみたいね。前勝てたのはできすぎもいいとこ。実力はあくまで向こうが上よ」
だけど向こうはそう思ってくれないんだ。
本来は格上として待ち構えてくれる存在だが、一度敗れた相手。
死に物狂いで挑んでくる未来しか見えない。
「しかも並みの強敵ならまだしも『キセキの世代』がだ、半端じゃねぇぞ」
ごくりと唾を飲み込む音が聞こえた。
そして俺は気づく、きっと俺だけじゃないだろうけど、歩いていた廊下の角に誰か座っていたことに。
「悪い、皆ちょっと先行っててくれ」
「?いいけど、先行ってるぞー」
木吉さんは立ち止まり、その角の方へ曲がっていった。
そうか、木吉さんも、彼も無冠の五将だから関係性はあるのか。
少し離れてから火神が木吉さんのことについて触れた。
そして角の先にいた、花宮さんのことについても。
「わざわざ挨拶に行ったってことは仲いいんですか?」
「逆だよ、悪い。そもそも木吉と対極と言ってもいい奴だ。
木吉を最もバスケに誠実な男と呼ぶなら、奴は最もバスケに不誠実な男だ」
酷い言われようである。
けれど間違いだとは思えなかった。
花宮さんは俺達誠凛との試合でも、あのプレイスタイルで挑んでくるんだろうか。
花宮さんのことは嫌いじゃない。
ただ彼のバスケが嫌いなだけだ。
人のバスケスタイルをどうこう言う権利なんて、俺にはないかもだけど。
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こたきんぐ(プロフ) - しゅるさん» だーすんごい嬉しい反応貰っちゃったへへ!!ありがとうございますっっこれからもたまに漂う幼馴染み臭を楽しんでもらえたらいいなって思います! (2023年2月6日 19時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
しゅる - あばーー!!かっこよすぎるよ!主くん!!幼馴染みのきーちゃんと似たような感情で、似たような台詞で、似たような場面で!!幼馴染み最高!!やばすぎる…! (2023年2月5日 19時) (レス) @page49 id: 29acc038ba (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - にゃん太さん» ですよね!?マジで永遠に畑耕して牛達の世話してます笑笑 わ〜ほんとですか!!貴重だ〜!!ありがとうございます、マイペースですが頑張ります!! (2023年2月5日 9時) (レス) id: 3b9b192a4a (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - らぶさん» おお!?蘭推し嬉しいです!!蘭の心情もいずれ書こうと思ってますので…🤗ありがとうございます、頑張ります! (2023年2月5日 8時) (レス) id: 3b9b192a4a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん太(プロフ) - 牧場物語が面白すぎるのまじでめっっちゃわかります!!!!実は初期の頃から読ませていただいていたりします。ず〜〜っと大好きな作品です!作者様のペースで頑張ってください!!!! (2023年2月5日 6時) (レス) @page49 id: e8e9837ec5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2020年5月24日 10時