２５２Q ページ15
Aside
「ちょっ…ただでさえアンタ膝痛めてんのよ！？ダメよ！！むしろもう交代して…」
「だめだ、やる。悪いなリコ、このために戻って来たんだ。ここで代えたら、恨むぞ一生」
「……っ」
木吉さんの覚悟は想像以上で胸が苦しくなる。
まるで木吉さんを犠牲にして勝ちに行くようで、俺としてはとても嫌だ。
「監督、俺も中に入れてください」
「長崎！いいんだ、お前は」
「俺、気づいたんです。これは罠かもしれないけど…俺だけなんです。
今、俺だけ攻撃を受けてないんです」
「え？」
俺の勘違いかもしれない。
皆がラフプレーを受けようとしているのに、俺は一度もそんな素振りがなくって。
「…もし、そうだとしても、ダメだ。俺一人でやる」
「木吉さん、」
「長崎」
じっと木吉さんに見つめられ、黙る。
だって、本当に花宮さんならやりかねないから。
俺だけ無傷、だなんて。
そうすれば俺が我慢ならないこと、わかっているだろうから。
皆が傷つくなら、自分が傷ついた方がいいんだ。
その逆をされるのは俺にとって、鳩尾にエルボーを入れられるより痛い。
そのうちまた、冷静さがかけていくのだろう。
結局木吉さんの案は通され、中は木吉さんだけで試合は始まった。
やはり一人でダメージを受けているため、痛々しい表情を常に浮かべていた。
そんな木吉さんにしびれを切らしたのか、花宮さんはなにか行動を移そうとしているのに気づく。
嫌な予感がした、だから俺は作戦を無視して中へ走り出す。
「木吉さん！！」
「む！？」
おそかった。
木吉さんは十二番にこかされ、シュートで体勢が崩れたかのように見せた七番の肘が木吉さんの顔面へ入る。
流石に笛が鳴り、皆木吉さんの元へ走った。
「木吉！！ ふざけんなテメェまた…！！」
「はあ？またいいがかりかよ〜？知らねーよ、ゴール下でもつれて起きた事故だろ、事…」
ニヤついた目を見開き、あの状態から立ち上がった木吉さんを見る花宮さん。
「だから俺は決めたんだ」
木吉さんはボロボロの体のはずなのに、力強く立つ。
「もし一年の心が折れそうになったなら、俺が添え木になってやる。もし二年が傷つけられそうになったら、俺が盾になってやる。
どんな時でも体を張って、誠凛を守る。そのために俺は戻って来たんだ！！」
額から血を流しそういう木吉さんは、本当にかっこよかったし…
…今年だけ、だなんて。そんなこと言わないでほしかった。
．
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こたきんぐ(プロフ) - しゅるさん» だーすんごい嬉しい反応貰っちゃったへへ！！ありがとうございますっっこれからもたまに漂う幼馴染み臭を楽しんでもらえたらいいなって思います！ (2023年2月6日 19時) (
レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
しゅる - あばーー！！かっこよすぎるよ！主くん！！幼馴染みのきーちゃんと似たような感情で、似たような台詞で、似たような場面で！！幼馴染み最高！！やばすぎる…！ (2023年2月5日 19時) (レス) @page49 id: 29acc038ba (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - にゃん太さん» ですよね！？マジで永遠に畑耕して牛達の世話してます笑笑 わ〜ほんとですか！！貴重だ〜！！ありがとうございます、マイペースですが頑張ります！！ (2023年2月5日 9時) (レス) id: 3b9b192a4a (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - らぶさん» おお！？蘭推し嬉しいです！！蘭の心情もいずれ書こうと思ってますので…🤗ありがとうございます、頑張ります！ (2023年2月5日 8時) (レス) id: 3b9b192a4a (このIDを非表示/違反報告)
にゃん太(プロフ) - 牧場物語が面白すぎるのまじでめっっちゃわかります！！！！実は初期の頃から読ませていただいていたりします。ず〜〜っと大好きな作品です！作者様のペースで頑張ってください！！！！ (2023年2月5日 6時) (レス) @page49 id: e8e9837ec5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こたきんぐ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時：2020年5月24日 10時
