おとといの降谷さんのぱんつ。【安室透/降谷零】

38　間一髪はいいものの ページ38

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「あっぶな…！」

「Aさん！」




危機一髪とはこういうことを言う。

両手で彼の腕を引っ張り引き上げようとする。しかし彼の片方の手で持っている竿の先にいる魚がぐいっと川の方へ引っ張るもんだから、その反動で私まで足を滑らせた。

まって死ぬ。




「間一髪、ですね！」

「あ、安室さぁん…！」




なぁにが危機一髪とはこういうことを言う、だ。
今のような安室さんのことを言うのだ。

安室さんは足を滑らせた私の腰を抱きそのまま引っ張り上げてくれた。
思わず情けない声を出してしまったが元太君は無事なので良しとしよう。

しかし問題が一つ発生した。




「あ、安室さん？」




引っ張り上げてもらい、そのまま安室さんにバックハグされてしまった。
そして今だ離してもらえてない。




「二人とも無事でよかった」

「はい、ありがとうございました。えっと」

「…Aさん、ちゃんと食べてます？」

「どえ！？」




今それをいうか。
なんだか恥ずかしくて顔に熱が集まる。きっと今の私は耳まで真っ赤っかだろう。

思わずずっとつかんでいた元太君の腕を離してしまった。
急だったので元太君はしりもちをつく。危ない。




「ご、ごめんね元太君ほんとに！いやっ、安室さん、え！？」

「すみません、つい。元太君、怪我はないかい？」




しりもちをついた元太君に近寄り安室さんは服についた小さな石をはらっていた。

あ、あれは一歩間違えたらセクハラ発言…いや安室さんだから許せるものだ。
人で判別しちゃダメなのはわかってるけど、わかってるけど！！

抱きつかれながらのあの発言はなかなか恥ずかしいものだ。
だって、ほら、体のラインをさ、ほら。




「Aさん大丈夫？通報する？」

「つうほっ！？いやしないしないよコナン君！」




私の服をつかみ、なんだか悪い顔してるコナン君に通報するかどうか聞かれたけど必死に首を振り否定。

別に変な意味で言われてるなんて思ってない、思ってないし。


私はスマホを握るコナン君の手をそっとしまわせた。

悪ノリがすぎるぞ小学生！


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