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釣り針に餌を通し川へ投げる。
隣にいる歩美ちゃんはえいっと一生懸命投げ、釣れてーっと願っているカワイイ。
するとすぐに歩美ちゃんの竿が水面の方へ引っ張られた。
「あ!きてるよ!」
「わあ!えっと、えっと!」
歩美ちゃんは釣り竿を引っ張り、小さな手でリールを回す。
川から簡単にこんにちはしてきたのは小さな魚だった。
「歩美釣れたよー!」
「すごいですね歩美ちゃん!」
「でもちっせぇんだぞ」
元太君の言う通り、まだ小さい。幼魚のようだ。
こういう場合はリリースした方がいいんだっけ?しない方がいいんだっけ。どうだっけと悩んでいる私の元へ安室さんが近づいてきた。
「歩美ちゃん、凄いね。でも残念だけどこのお魚さんはまた小さく、逃がさないといけないんだ」
「そうなの?」
「うん。あ、少し水につけてあげれるかな」
安室さんの指示に歩美ちゃんは水に一度つける。
その魚を安室さんは手袋をして触れ、えらの部分を確認しているようだった。
「出血もなく、この魚の体は弱い種類じゃない。リリースしても大丈夫。もしここで出血していたり弱っていたりしたら戻してあげてもすぐに死んじゃうことが多いんだ。けどこの子は大丈夫だったみたい」
「じゃ、じゃあすぐに戻してあげて安室さん!」
安室さんは言う通りに優しく小さな針から魚を取り川へ逃がしてくれた。
物知りだなぁと感心していると次は哀ちゃんの竿が振れる。
「んっ、ちょっと重いわ」
「手伝うよ!」
まったく揺れない自分の竿を地面に立て、哀ちゃんの釣り竿を握る。
言われた通り少し重い。というか普通に重い。この魚元気すぎるんじゃないか。
二人でよいしょとひっぱると何だか見たことのある魚だ。
「鮎だね」
ぴちぴちと体をそる魚、そうだ鮎だ。
安室さんはおいしそうだと言ってそのまま針から鮎を取って水の入ったクーラーボックスへ入れた。スムーズすぎて凄い。
「つ、次は俺だぞ!わ、わわ!」
「元太君!?」
次々と釣れるなぁと元太君の方へ振り向くと、元太君は足場の高い所にいた。
そしてその獲物は哀ちゃんの時より大物のようで、私はあわてて元太君の元へ走る。
安室さんも状況を察し走ってきているのがわかるけどクーラボックスからこの場所は少し遠い。
もしかしたら落ちてしまうかも、なんて最悪な事態を想像してしまう。
するとそれが現実になりそうになってしまうのだ。
元太君の足場はぬれていたみたいでつるりと足を滑らせた。
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礼 - すっごく面白いです!続き楽しみに待ってます! (2021年12月12日 8時) (レス) @page38 id: 1125244af9 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - ぱるむさん» 流れは一通り書いているのですがちゃんとした文字に起こすのがすごく手間取っていまして…、ぼちぼち頑張っていきたいです!ありがとうございます! (2021年8月28日 12時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - アイスあるさん» ありがとうございます!!返信遅くなってごめんなさい、マイペースですがぼちぼちやっていきます! (2021年8月28日 12時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむ - 復活待ってます!すごく面白かったです! (2021年2月15日 18時) (レス) id: 4fbbe91aff (このIDを非表示/違反報告)
アイスある - めっちゃ面白いです!更新頑張ってください! (2020年5月27日 18時) (レス) id: 38b2fa8d4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2019年9月6日 17時