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208億 ページ21

Aside



「風見とお前の部下二人が自分の仕事しながら情報収集を手伝ってくれているんだ。またお礼しとけよ」

「え、まじか」




だから降谷にいろんな情報が集まってたんだ。

律ちゃん、恵子ちゃん、風見さんまでもが協力してくれているこの事件。
いろんな人が、力を貸してくれている。




「じゃあ、俺は行くから。また連絡する」

「ん」




降谷は私に背を向け、出口へ向かう。

降谷は、降谷は本当に良い奴だよ。

良い奴で、きっと私はアンタに…




「ふるや」




無意識に、前を向いて歩くアイツの名前を呼んでいた。

降谷は振り返り、なんだ?と微笑む。




「……本当に、ありがとう」

「…今日はよく、感謝を述べるな」

「本当に、いつも」

「…あぁ。俺も、いつもありがとう」




降谷は、また前に向き直してからそう言って、そのまま寝室から出た。

私は降谷がこのマンションの部屋から出ていった音を確認して、ぼふんと布団に寝転がる。




「……私、何言おうとしたんだろ」




感謝はしてる、しきれないほどに。だから素直に感謝を述べた。

けど、今私はそれとまた違うことを言おうとしてた。


ずっと気付かないふりをしていた感情を

降谷の気持ちを知らないフリをして。そして自分の気持ちが変わっていくのも気付かないふりをして。

何をいまさら。




「私、ズルいじゃん」




そっと目を閉じ、意識を飛ばす。

いい夢も、悪い夢も見ないほど私は深い眠りについた。




次に目が覚めたころには、もう外は真っ暗で。

近くにあるスマホの画面を照らせば、自分が10時間ほど寝ていたことに気づいた。

いくらなんでも寝すぎたかな。


のっそりと寝すぎて少し重い体を起こして、シャワーを浴びに行く。
シャワーを終えてスッキリした体と思考。
それが揃えば次は何をするか。




「さて、事件の内容をまとめよう」




私は腕に通していた髪ゴムでキュッと髪を一つに結び、ペンと紙をリビングにある机の上に広げた。


.

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こたきんぐ(プロフ) - ありばばさん» こちらこそ読んで頂きありがとうございます!!泣いてくれたんですね…少しでも心動かせたみたいでマジで嬉しいです!番外編の方もし未読でしたら、お暇の時にぜひ! (2022年8月12日 20時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
ありばば - 良作をありがとうございます…!本当好きです、マジで、マジで!!一時はどうなるかとハラハラハラハラしてました泣きました。もっかい見ます (2022年8月11日 11時) (レス) @page47 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - \(^o^)/さん» もったいないお言葉です…。ありがとうございます!笑 (2022年1月23日 2時) (レス) id: 3277e9d770 (このIDを非表示/違反報告)
\(^o^)/ - 神作品とはこのこと、、、!!!679を680にしてやったぜ! (2022年1月19日 23時) (レス) @page47 id: 111ab3751f (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 眠夢_さん» ええありがとうございますー!!笑笑 その水拭いて差し上げたい…( ˘ω˘ ) 少しでも心動かせたようでよかったです笑笑 (2021年10月4日 15時) (レス) id: 3277e9d770 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/  
作成日時:2019年4月5日 11時

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