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Aside
「あ、むろさん…?」
髪の毛の流れに沿って、ゆっくり、ゆっくりと手のひらを滑らす降谷を目を丸くして見つめる。
そんな私達を見て、周りは声になっていない悲鳴を上げていた。
それに気づいた降谷はハッとし、いつもの安室スマイルですみません、ついと微笑む。
「大丈夫ですよ。それより、今の世間の状況を教えてくれませんか?」
少し呆けていた皆は私の言葉でこちらに意識を戻し、さっき教えてもらうのを忘れていた世間の状況を教えてもらった。
今私の顔は世間にはわかってないけれど、名前は容疑者として出されていること。
しかし今速報で真犯人が出たということが報道されたこと。
そして四年前の殺人事件のことを報道し、また世間が恐怖していること…らしい。
「犯人が捕まってないから、また昔のように誰かが殺されるんだって、皆怖がってるんだ」
「…そうだよね。じゃあ、急がなくちゃ」
ガタリと立ち上がると、ちょっと、と哀ちゃんが私を止める。
私はしゃがんで、哀ちゃんに目を合わせた。
「なぁに哀ちゃん」
「四年前の事件の資料、いるでしょ」
「…うん」
今警察に行って勝手に持ち出すのは怒られる、多分今その資料使ってるだろうし。
正直今の私は公安の栃木ではない。
公安の力は、今の私には使えない。
そうなるとやはり、人の手を借りることになる。
「博士が、調べておくからまたいらっしゃい」
「!…ありがとう」
そういってふわりと笑うと、少年探偵団の皆も何か手伝いますと手を上げる。
園子ちゃんや蘭ちゃん、梓さんもできることは少ないけれどと続けて手を上げた。
「貴方の周りには、まだ人はいます」
「…そうだね」
降谷の言葉に目を伏せて返事する。
私の周りには、大切な人がたくさんいる。その人たちに身の危険が及ぶかもしれない。
そんなの絶対に嫌だ。もう失うのはもう、いやなんだ。
公安の私じゃなくても、ただの私でも
「皆さん、ご協力、ありがとうございます」
形は違えど大切で大好きな協力者たちを、何があっても守らなきゃいけない。
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こたきんぐ(プロフ) - ありばばさん» こちらこそ読んで頂きありがとうございます!!泣いてくれたんですね…少しでも心動かせたみたいでマジで嬉しいです!番外編の方もし未読でしたら、お暇の時にぜひ! (2022年8月12日 20時) (レス) id: 7882bc78cd (このIDを非表示/違反報告)
ありばば - 良作をありがとうございます…!本当好きです、マジで、マジで!!一時はどうなるかとハラハラハラハラしてました泣きました。もっかい見ます (2022年8月11日 11時) (レス) @page47 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - \(^o^)/さん» もったいないお言葉です…。ありがとうございます!笑 (2022年1月23日 2時) (レス) id: 3277e9d770 (このIDを非表示/違反報告)
\(^o^)/ - 神作品とはこのこと、、、!!!679を680にしてやったぜ! (2022年1月19日 23時) (レス) @page47 id: 111ab3751f (このIDを非表示/違反報告)
こたきんぐ(プロフ) - 眠夢_さん» ええありがとうございますー!!笑笑 その水拭いて差し上げたい…( ˘ω˘ ) 少しでも心動かせたようでよかったです笑笑 (2021年10月4日 15時) (レス) id: 3277e9d770 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こたきんぐ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Kotakinnhu/
作成日時:2019年4月5日 11時